こんにちは。女性管理職21年の いくみ(@nesan_blogger)です。
部下さんに何か決まり事を伝える時、つい「会社の方針だから」という言葉で片付けてしまうこと、ありませんか?
私も何度も経験があります。言ったその瞬間は、ちゃんと説明した気になっているのですが、部下さんの表情を見ると、どこか納得していない様子…
そっか。全然伝わっていなかったんだ。
この記事では、「会社の方針だから」という言葉が部下さんの心に届かない理由と、本当に共感してもらえる伝え方について解説します。
「会社の方針だから」と言われた部下さんの気持ち
上司として、会社が決めた方針やルールを部下さんに伝えることは、大切な役割の一つです。
なのですが。
「会社の方針だから」「上が決めたことだから」そんな一言で片付けてしまうこと、ありがち。
言う方は、それで説明が済んだような気持ちになってしまう。ところが、言われた方はどうでしょう。
「なんで?」「どうして急に?」「私たちの現場のことわかってるの?」そんなモヤモヤした気持ちを抱えたまま、消化不良に陥ってしまいます。
大切なのは、会社の方針を踏まえて上司が自分の言葉で伝えることなのです。
なぜ、上司が「自分の言葉」で伝えると心に届くのか

なぜ「会社の方針だから」では伝わらず、上司が自分の言葉で伝えると部下さんの心に届くのでしょうか。
それは、人は「理由」と「背景」を理解したい生き物だからです。
ただ「やれ」と言われても、なぜそれをする必要があるのかわからなければ、心から納得することはできません。
逆に、「この方針の背景にはこんな思いがあってね」「根拠はここでね」と上司が自分の言葉で伝えることで、部下さんは「そういうことか」と腹落ちするのです。
会社の方針への共感は、従業員のエンゲージメントにとても大切なポイント。ですが、それを何かの言い訳に使うことはNG。
そこにどう共感してもらえるかを伝えることこそが、上司の大事な役割なのです。
部下さんの心に届く伝え方、3つのポイント
では、具体的にどう伝えれば良いのでしょうか。私が意識している3つのポイントをご紹介します。
会社の方針の「背景」を伝える
まず、なぜこの方針が生まれたのか、その背景を説明します。
「実はね、お客様からこんな声があって」「業界全体でこういう流れになっていて」
そんな風に、方針が生まれた理由を部下さんと共有することで、「なるほど、そういう事情があるんだ」と理解してもらえます。
会社の方針の「根拠」を自分の言葉で噛み砕く
次に、なぜその方針が必要なのか、根拠を自分の言葉で伝えます。
会社が発表する文書って、どうしても堅苦しくてわかりにくいもの。
それを上司が自分なりに解釈して、「つまりこういうことだよね」と噛み砕いて伝えることで、部下さんの心に届きやすくなります。
「私たちのチーム」にとってどんな意味があるかを語る
そして最後に、この方針が自分たちのチームにとってどんな意味を持つのかを伝えます。
「だから、私たちのチームではこう取り組んでいこう」「これが実現できたら、こんな良いことがあるよね」
そう語りかけることで、部下さんは「自分ごと」として捉えられるようになるのです。

「会社の方針だから」を安易に使わない、それが上司の心得
「会社の方針だから」
この言い方を安易に使わないこと。
それも、上司の心得として大切なことの一つです。
もちろん、会社の方針を伝えることは上司の役目。ですが、それをお題目のように唱えるだけでは、部下さんの心には何も残りません。
背景を伝え、根拠を噛み砕き、自分たちのチームにとっての意味を語る。
そうやって、上司が自分の言葉で伝えることで、初めて部下さんは「わかった、やってみよう」と思えるのです。



