気象の変化に応じての「雨冠」が部首の漢字。
雪や雨を始めとして、霙(みぞれ)や靄(もや)、霧…etc.
その種類にはどんなものがあるのだろう?
天気の表し方、読み方、意味、覚え方についてを、画数ごとにまとめてみました。ご紹介します。
「雨かんむり」3画~6画
ウェブ辞書で調べることもできますが、それぞれの字を眺めてみるには、やはり、漢和辞典がベター。
最近の漢和辞典はソフトカバーのものもあり、とても使い易い。
0画は本家本元「雨」
以降、6画までは馴染みの多い漢字が並びます。
ちなみに、「雨」の字由来。
上の一は天を表し、囲みは雲を表し、水(てんてん)がその間を落ちるさまにかたどる。(新漢和辞典ー大修館ーより、以下引用同じ)
雪、雫、雲、雰、
電→なんで”電”はあめかんむりなんだ?
いなずま、いなびかり。いなずまのようにすばやいさまのたとえ。
なるほど、納得。
雹→おっと!コレは何だ?「ひょう」。
雷、
零→「おちる、こぼれる、ゼロ」:そういや、”零下”だ。
静かに降る雨。こぬか雨。引いて、「わずか」の意に用いる。
だから「ゼロ」なのねー。
需→アンマリ天気とは関係なさそうな?
「雨やみを待つ」の意より、”時を待って行えば成功するかたち。もとめる意に用いる。”
「需要」っていうものね。なかなかに深い。
7画以上はだんだんハードルが上がる
7画以上になると、だんだん読むのも書くのもハードルが上がっていきます。
霄「みぞれ」。あれ?霙とどう違うんだ?
震、霆→いずれも、「かみなり」に関連しているようです。
霈→「おおあめ」そんな漢字一字があるんだ!雰囲気からなんとなく分かるけど。
霊→この字はなぜ、あめかんむりなのだろう?
霊は「しずく」。天から降下する意を表す。
なるほどー。
霓「にじ」→「虹」とどう違うんだ?
霎「こさめ」→なんで、下が「妾」なのよぉー。
しばし。しばらく。
だから、「妾」なのかしら?なんかチョット物悲しい。
霑「うるおう」
霏「ヒ(訓読みなく音読みのみ」→雨や雪の降るさま。
霖「ながあめ」
霙「みぞれ」
霞「かすみ」、霜「しも」
10画以上、お手上げ状態
10画以上となると、もうお手上げ状態です。
霤「あまだれ、したたり」
霪→コチラも「ながあめ」。霖とどう違うんだ?
霧
霰「あられ」。なんか、「散ってる」イメージなんだろな。
霹「ヘキ」「かみなり」。
露
霽「セイ」雨・雪がやむ。じゃ、あめかんむりじゃなくてもいいような(笑)
霾「バイ」大風が土砂を空に巻き上げてこれを降らせる。
靄「もや」
靆「タイ」雲のさま
靂「レキ」激しい雷
靉「雲のさかんなさま」「樹木のびっしりと茂っているさま」
全く書けない読めない。
「連想ゲーム方式」で覚えてみる
漢字って「何かの様子」を表すために、へんやつくりを組み合わせた「文字というアート」みたいなもの。
由来は中国ですが、日本の漢字は、さらにシンボリックで見ていて楽しくなってきます。
ちなみに、漢和辞典では、雨(あめ)、雲(くも)、霧(きり)…などのオーソドックスな字以外は、ほぼ音読みで解説されています。
ただ、難しい字はなかなかに覚えづらいため「連想ゲーム方式」であめかんむりの漢字をピックアップしてみることにしました。
雹(ハク)→ひょう。あられの大きなものを指す。なんか、”散ってるのを包む”イメージ。
霈(ハイ)→大雨を指す。サンズイに市→街にいっぱい雨が降ってるんだろうな。
霍(カク)→はやい、すみやかを指す(鳥があわただしく飛ぶ声の形容)→ハヤブサ(隼)みたいな感じ。
霓(ゲイ)→にじ。(鮮明なものを虹、薄い光のものを霓という)→“兜(かぶと)”みたいな、なんか、頭に何かをかぶってる感じ?
霎(ソウ、ショウ)→こさめ。しばし、しばらく「霎雨→ひとしきり降る雨」→雨プラス“妾”ってなんだか悲しい。
霑(テン)→うるおう、濡れる。→サンズイに占。なんか、したたるイメージ。
霙(エイ)→みぞれ。雨まじりの雪→雨の“英知”ってとこかなー。
霤(リュウ)→雨だれ。→雨が留まるって感じ。
霪(イン)→ながあめ。雨が淫らな感じ?(笑)
霰(セン)→あられ。雨が散るイメージ。
霹(ヘキ)→かみなりが落ちること。「辟易」って言うし、「ウンザリ」な雰囲気かしら。
霽(セイ)→はれる(晴)、雨、雲が止む→斉の字には、そろう、ととのうという意がある。「悪天が消え、空がそろう」って感じかな。
霾(バイ)→大風が土砂を空に巻き上げて雨を降らせる→狸が暴れると怖い?(笑)イメージ。
靄(アイ)→もや。この下の字、日本の漢字では単独で見かけないが、「なに」「いつ」といった意。「いつの雨の名残か(とにかく気温の上昇でただよう)?」が「モヤ」なのかな。なんか詩的。
靂(レキ)→はげしい雷。→「歴」には次々と通り過ぎる…などの意がある。雷がたてづけにとどろくさま…といった感じ?
勝手なイメージばかりだけど、漢字の成り立ちって、人々のそういう何気ない心から生まれたようにも思えます。
こんなふうにやってみると、難字でも読んだり書いたりできそうで嬉しいです。
最後にひとこと
普段何気なく使っている「雨かんむりの漢字」
とくに梅雨の時期や寒い時期には、毎日のお天気がどんな漢字に当てはまるのか?
想像してみるのも楽しいものです。