こんにちは。女性管理職20年の いくみ(@nesan_blogger)です。
あるイベントに参加してきました。主催者の方が「皆さんでワイワイ交流して盛り上げてもらうことが喜びです」と、参加者全員をご招待してくださったのです。
その無償の愛に溢れた姿勢に心から感動し、そして、ふと気づきました。
この「ギブの心」こそ、上司が部下さんに向き合う時に大切にすべきものなのではないか、と。
解説します。
あなたの「与える」は、本当に部下のためになっているか?
上司として日々部下さんに接する中で、こんな風に感じたことはありませんか?
「指示を出しているのに、なかなか動いてくれない」「アドバイスをしても、響いていない気がする」「激励しているつもりなのに、部下の表情が曇っている」
もしかしたら、それは「与えている」つもりが、実は部下さんから何かを「奪って」しまっているのかもしれません。
上から目線での指示や命令、一方的な激励…良かれと思ってやっていることが、部下さんの自主性や意欲を奪い、結果的に「してあげている」という押し付けになってしまっている可能性があるのです。
与えてもらうことで、自分も人に与えたくなる
冒頭でお伝えしたイベント会場には、主催者の方の「ギブの心」が溢れていました。
不思議なことに、そうして「与えてもらった」参加者たちは、自然と周りの人に優しくなり、笑顔で会話が弾み、お互いに助け合う雰囲気が生まれていったのです。
与えてもらうことで、自分も人に与えたくなる。
この連鎖を目の当たりにして、私はハッとさせられました。
では、なぜ「与えること」が、こんなにも人を動かすのでしょうか。
それは、人は「信頼されている」「大切にされている」と感じた時に、初めて心を開き、自発的に行動しようとするからです。
なぜ「ギブの心」が部下を変えるのか
上司が一方的に指示や命令を出すだけでは、部下さんは「やらされている」と感じてしまいます。それは、ある意味で部下さんの自主性や考える機会を「奪っている」ことにもなりかねません。
一方で、上司が部下さんに必要なものを「与える」姿勢で接すると、部下さんは
「この上司は、自分のことを理解してくれている」
「信頼されている」
「大切にされている」
そう感じて、自然と応えたくなるのです。
部下に「与える」とは、具体的に何をすることなのか
では、上司として部下さんに「与える」とは、具体的にどういうことでしょうか。ポイントを3つにまとめます。
時間を与える
まずは「時間」です。
部下さんの話をじっくり聴く時間。一緒に考える時間。待つ時間。
つい、業務に追われて「結論だけ教えて」「手短に」と急かしてしまいがちですが、それでは部下さんの想いや背景を理解することはできません。
丁寧に時間を使って向き合うこと。これが何より大切です。
信頼を与える
次に「信頼」です。
「あなたなら、大丈夫」と任せる。失敗しても責めず、一緒に考える。
部下さんを信じて委ねることで、ご本人の成長の機会を「与える」ことができるのです。
機会を与える
そして「機会」です。
新しいプロジェクトへの挑戦、リーダー経験、社外との交流…部下さんが成長できるチャンスを積極的に提供していくこと。
ただし、ここで大切なのは「相手目線」であること。
上司が良かれと思って与えても、それが部下さんにとって本当に必要なものでなければ、ただの押し付けになってしまいます。
相手が何を必要としているのか?
まずは、それを理解しようとする姿勢こそが「ギブの心」です。
上司の役割は「導く人」から「支える人」へ
これまで私は、上司とは「導く人」だと思っていました。
部下さんに指示を出して、正しい方向へ導いていく。アドバイスをして、成長を促していく。
なのですが。
今回の出来事を通じて気付きました。
本当に必要なのは「導く」ことより先に、まず部下さんの感情や背景を理解しようとすることなのだと。
アドバイスより先に、耳を傾けること。
指示より先に、何を必要としているのか聴くこと。
上司の役割は「導く人」から「支える人」「与える人」へ。
そうすることで、部下さんは自ら考え、自ら動き出してくれるのです。
ギブの心で作る、自発的に動くチーム
では、この「ギブの心」を持って部下さんに接していくと、チームはどう変わるのでしょうか。
私が目指したいのは、こんなチームです。
部下さんが「自ら考え、動く」チーム
上司が細かく指示しなくても、部下さんが自分で考えて行動してくれる。
そんなチームを作るためには、まず上司が部下さんを信頼して、必要なものを「与える」ことから始まります。
お互いに「与え合う」チーム
上司から部下へ、だけでなく、部下同士も、そして部下から上司へも。
与えてもらった人は、自然と与えたくなる。その連鎖が、チーム全体に広がっていきます。
「安心して挑戦できる」チーム
失敗しても責められない。困った時には必ず支えてもらえる。
そんな安心感があるからこそ、部下さんは新しいことに次々と挑戦できるのです。
最後にひとこと
上司としての在り方に悩んでいる人へ。
私もしょっちゅう悩んでばかりですが、この記事が参考になったら嬉しいです。
明日から「ギブの心」を意識して、部下さんに接してみませんか?きっと、何かが変わり始めるに違いありません。