こんにちは。女性管理職20年の いくみ(@nesan_blogger)です。
女性の部下さんが妊娠、出産、育児休業を経て、復職してきてくれた後に、仕事と子育ての両立に悩まれている姿を見受けることがとても多くあります。
我が部署のようにオフィスワークではなく、例えば美容師さんのような専門職では、この問題がより深刻です。土日祝日の勤務、立ち仕事、技術のブランクへの不安…従来の働き方では、子育てとの両立がなかなか難しい。
この記事では、私の行きつけの美容室の店長さんと、そんな話題で盛り上がったことをもとに、ワーキングマザーへの応援をお伝えさせていただきます。
美容室店長が実践した「働き方改革」とは
目からウロコのお話を聞きました。
この店長さん、育児休業から復職する美容師さんに対して、従来の勤務体系にこだわることをやめたのです。
「正社員や契約社員という違いは発生するけれど、本人が働きたい時間で働きたい時に仕事ができる仕組み」を独自に導入。
例えば:
– 平日の午前中だけ勤務
– 学校行事がある日はお休み
– 夏休み期間中は時短勤務
– 子どもの体調不良時は急なお休みもOK
一見すると管理が大変そうですが、結果的にスタッフの定着率が大幅に向上し、お客様からも「いつものスタイリストさんがいてくれて安心」と喜ばれているそうです。
なぜこの取り組みが成功したのか?「当事者目線」の大切さ
実は、この店長さんの奥様も子育て中の美容師さん。
奥様が「勤務体系に縛られてしまうことから、なかなか継続が難しい」と悩んでいる姿を間近で見ていたからこそ、他のスタッフの気持ちも深く理解できたとおっしゃる。
ここにマネジメントの本質があります。
制度を作る側が、当事者の気持ちを本当に理解しているかどうか。表面的な配慮ではなく、心の底から「この人に続けてもらいたい」と思えるかどうか。
その想いがあるからこそ、従来の枠にとらわれない柔軟な発想が生まれるのです。
今すぐできる!女性が働き続けられる職場作りの具体策
このエピソードをもとに、ワーママが働き続けれる職場作りについて、具体的な対応策の例を考えてみました。
ポイントは3つです。
1. 「できない理由」ではなく「どうしたらできるか」を考える
「子どもがいると残業は無理」→「残業なしで成果を出す方法は?」
「急なお休みが困る」→「サポート体制をどう作るか?」
発想を転換することから始めましょう。
2. 本人の希望を具体的にヒアリングする
「どんな働き方が理想ですか?」ではなく
「何時から何時までなら働けますか?」
「どの曜日が難しいですか?」
「繁忙期の対応はどうしましょうか?」
具体的に聞くことで、現実的な解決策が見えてきます。
3. 「お互い様」の文化を作る
子育て中のスタッフがお休みの時は他のメンバーがカバー。
逆に、他のメンバーが困った時は子育て中のスタッフができる範囲でサポート。
この「お互い様」の関係性があるからこそ、チーム全体が機能するのです。
それぞれの組織での人事制度や働くメンバーたち全員への公平性や、課題も様々あり。
一朝一夕に仕組みを整備していくのは難しい状況もありますが、まずは考え方のところから見直してみるのも良いのではないでしょうか。
働く母を応援することで、組織全体の成長にもつながる
美容師さんって、私たち女性にとって本当になくてはならない存在です。
技術力があって、お客様との信頼関係も築けている女性スタッフに、出産を機に辞められてしまうのは、お客様にとっても大きな損失。
でも、この店長さんのような工夫をしてくれる責任者がいるからこそ、女性が安心して働き続けられる。
同じ働く母として、こうした取り組みを心から応援したいと思います。
そして、これは美容業界だけの話ではありません。どの職場でも、女性スタッフが輝き続けられる環境作りは可能なのです。
「従来のやり方だから仕方ない」ではなく、「この人に続けてもらうためにはどうしたらいいか」という視点で考えてみる。
それだけで、きっと新しいアイデアが生まれるはずです。
最後にひとこと
管理職として20年間、多くの女性部下さんと関わってきましたが、出産・子育てを理由に優秀な人材を失うのは、本当にもったいないこと。
発想を変えて、制度を工夫すれば、必ず解決策は見つかります。
大切なのは「この人に続けてもらいたい」という気持ち。その想いがあれば、きっと道は開ける。
女性が輝き続けられる職場作り、一緒に頑張りましょう。