こんにちは。女性管理職20年の いくみ(@nesan_blogger)です。
先日、こんな相談をもらいました。
「同じ職場での人間関係の悩み相談を受けた時の対応について知りたいです。ハラスメントのような明らかな問題なら答えられますが、個人的な好き嫌い感情が入ってくると、どちらも否定したくないので困ります」
この気持ち、管理職なら誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
対処法について解説します。
相談対応で最も難しいのは「感情的な人間関係トラブル」
職場での相談対応において、ハラスメントや明らかなルール違反なら判断は比較的容易です。しかし、個人的な好き嫌いや性格の不一致による人間関係の悩みとなると、話は別。
「Aさんが苦手で…」「Bさんの言い方がきつくて…」
こんな相談を受けた時、あなたはどう対応していますか?
つい「あちら立てればこちら立たず」の状況に陥り、どちらの味方もできずに困ってしまう。これが多くの管理職が抱える「板挟み症候群」の正体です。
こうした感情的な人間トラブルは本当に解決するのが難しいものです。
公平で建設的な相談対応のために
では、どうすれば良いでしょうか?
まず、以下の3つのスキルを意識してください。
- 感情に流されない受け止め方
- 相談者のニーズを正確に把握する質問術
- どちらも否定せずにアドバイスする方法
これらのスキルを発揮することで、部下さんからの信頼を失うことなく、公平で建設的な相談対応が可能です。
なぜこのスキルが効果的なのか?3つの理由
なぜ、これらが効果的なのか?3つの理由があります。
理由1:感情と事実を分離できるから
人間関係のトラブルには、必ず「感情」と「事実」が混在しています。まず感情を受け止めることで、その後の建設的な話し合いが可能になります。
理由2:相談者の真のニーズに応えられるから
「愚痴を聞いてほしい」のか「具体的なアドバイスが欲しい」のかでは、求められる対応が全く違います。ニーズを確認することで、的確なサポートができます。
理由3:公平性を保ちながら問題解決できるから
どちらかの肩を持つのではなく、問題となる「行動」にフォーカスすることで、人格否定をせずに改善を促せます。
実践!3ステップの相談対応術
次に、具体的な相談対応術について3ステップで説明します。
ステップ1:のれんのように受け止める
相談を受けた時、最初にやってしまいがちなのが「そうそう、あの人って○○だよね」という同調です。
これは絶対にNG。
代わりに、のれんのように「そうなんだ」と、ただ受け止めるだけにとどめましょう。
NG:「確かにAさんって、ちょっと言い方きついよね」
◯:そうなんだ、そう感じているんですね」
ステップ2:相談者のニーズを確認する
受け止めた後は、相談者が何を求めているのかを確認します。
「思いを吐き出すことがしたい?そっと聞くこともしますよ。もしくは、なんかのアドバイスが欲しい?その場合、どんなことをアドバイス欲しいのか教えてもらえると全力で答えますよ」
この声かけで、相談者は自分が何を求めているのかを整理できます。
ステップ3:肯定も否定もせずにアドバイスする
アドバイスを求められた場合も、決して肯定や否定はしません。
自分の好き嫌いとリンクしていると、つい同調したり一緒になって悪口を言いそうになってしまいます。ですが、特に上司の立場であれば、それは御法度。
「いろんなタイプの人がいるから、お互いの個性も尊重しつつ、それでも、ちょっと問題ありそうな言動にはアドバイスしてあげるのも一つだよね」
このように促すことで、建設的な解決策へと導けます。
具体的な声かけ例
- 「○○さんの立場で考えると、どんな伝え方なら受け入れやすいと思う?」
- 「この状況を改善するために、あなたができそうなことは何かある?」
- 「相手の意図を確認してみるのはどうでしょう?」
人の相談に乗ろうとしているあなたは、とても素晴らしい。そして、どちらの立場にも思いやりを持って、答えに窮してしまうこと。それもあなたの優しさです。
ぜひ、自分の良さを認めてください。
相談対応は「完璧」である必要はない
管理職だからといって、すべての問題に完璧な答えを持っている必要はありません。
大切なのは、相談してくれた人に寄り添い、一緒に考える姿勢です。
職場での人間関係相談は、確かに難しいものです。しかし、今回ご紹介した3ステップを実践することで
- 感情に流されない冷静な対応
- 相談者のニーズに適切に応える
- 相談者と困っている相手とどちらも否定せずに問題解決へと導ける
こうした点が果たせるようになります。
明日から、ぜひ実践してみてください。あなたの思いやり深いリーダーシップが、きっと部下の皆さんの支えになるはずです。