こんにちは。女性管理職20年の いくみ(@nesan_blogger)です。
先日、ある部下さんが体調不良で急遽休むことになりました。その部下さんはいつも健康を保っていて、急な欠勤が滅多にない、とてもありがたい存在でした。
加えて、うちの部署は1人ずつがそれぞれ独立した業務を担当しているため、その部下さんの業務をすぐに取って代われる状況が十分に整えられておらず…
上司として「なぜもっと早く対策を講じておかなかったのか」と深く反省する出来事となりました。
この記事では、部下さんの急な欠勤でも業務がストップしない体制づくりについて、実体験を踏まえて解説します。
業務の属人化がもたらす3つのリスク
我が部署のように、いわゆる”業務の縦割り体制”を取っている職場では、知らず知らずのうちに「属人化」が進行しています。
そのリスクについて、頭では理解しているつもりでも、実際に直面すると深刻さに愕然とするものです。
- 担当者の急な欠勤で、業務が一時的にストップしてしまう
- 対応方法を誰も把握しておらず、顧客や他部署に迷惑をかける
- 休んでいる部下さん自身が「休めない」プレッシャーを感じてしまう
「うちは大丈夫」と思っていても、いざという時に慌ててしまいます。私もその一人でした。
そのためにすぐにでも対策できること、それは「デイリーシェア」です。
なぜ「デイリーシェア」が効果的なのか
従来の対策としては「業務マニュアルの整備」「クロストレーニング」などが挙げられますが、これらには大きな問題点があります。
マニュアル作成は膨大な時間を要し、常に更新が必要。クロストレーニングも日常業務が忙しい中では実施が難しいものです。
そんな中、ある部下さんから提案された「デイリーシェア」という方法に、目から鱗が落ちる思いでした。
「とにかく緊急でその日に対処しなければならないことを、お互いにシェアしあう。ウィークリーやマンスリーの業務まで全部共有するのは難しいから、まずはデイリーをリカバーする」
このアイディアの素晴らしい点は
- 業務全体ではなく「その日にやるべきこと」だけに絞ることで、共有の負担が軽減される
- 大掛かりなマニュアルが不要で、短時間の申し送りで済む
- 緊急性の高い業務から対応できるため、影響を最小限に抑えられる
…といった点です。
具体的な実践方法:デイリーシェアの始め方
早速、以下のような「デイリーシェア」を実践し始めました。
ペア制の導入
AさんからBさん、BさんからCさんといったように、業務の申し送り先を明確化。私自身もBさんからデイリー必須業務について申し送りを受けることになりました。
デイリー業務の見える化
各自が担当する「その日必ずやるべきこと」をリスト化し、共有フォルダに保存。急な欠勤があっても、誰でも確認できるようにしました。
最低限の手順書の作成
デイリー業務に限定した簡易マニュアルを作成。詳細な手順書ではなく、「こういう時はこうする」という最低限のポイントだけをまとめています。
導入後の変化と今後の課題
デイリーシェアを導入してから、早速その効果を実感することができました。
その後別の部下さんが急遽休暇を取ることがありましたが、他の部下さんがスムーズにカバー。業務の遅延を最小限に抑えることができたのです。
そっか。最初から全部の業務を共有しようとしていたから難しく感じていたんだ。
デイリー業務に絞ることで、心理的なハードルもぐっと下がり、部下さん同士が自然と声を掛け合う姿も見られるようになったことも嬉しい。
もちろん、これだけで全ての問題が解決するわけではありません。
今後は
- デイリー業務から徐々にウィークリー業務へと共有範囲を広げていく
- より効率的な情報共有の仕組みを検討する
- 部署全体で「自分の仕事」という意識から「チームの仕事」という意識への転換を図る
といった課題にも取り組んでいく必要があります。
最後にひとこと
部下さんの一言から生まれた「デイリーシェア」という取り組み。
時に管理職である私たちよりも、現場で働く部下さんの方が、より実践的で取り組みやすいアイディアを持っていることがあります。
日頃から部下さんの声に耳を傾け、「これはいいね!」と思ったらすぐに取り入れる柔軟さも、上司として大切なことなのかもしれません。
急な欠勤は誰にでも起こりうること。備えあれば憂いなし。小さな一歩から始めて、お互いが助け合える職場づくりを目指していきましょう。
この記事が皆さんの職場環境改善のヒントになれば幸いです。