こんにちは。女性管理職19年の いくみ(@nesan_blogger)です。
昨今、よく取り沙汰されるようになっている「カスハラ(カスタマーハラスメント)」
以前は「お客様は絶対」的な文化が主流だった時代もありましたが、相手が例えお客様だったとしても、ハラスメントには毅然と対応することが大切…という現在の潮流は良いことだと感じています。
我が部署でも残念ながら時々起こるカスハラ事例。上司が対応すべきこととは?
具体例も交えて、3つのポイントを解説します。
カスハラで上司が対応すべき3つのポイント
まずは結論から。
カスハラで上司が対応すべきことは以下です。
- 部下さんがメールや電話などで応対している様子にできる限り寄り添って、少しでも「カスハラでは?」と感じた際はしっかりとケアをする
- カスハラを起こした相手や、その上司への毅然とした申し出と再発防止策の要求
- 先方からの返答に対して、部下さんが納得できているかの確認
実際の事例をもとに、さらに解説します。
少しでも「カスハラでは?」と感じた際はしっかりとケアをする
我が部署が取り扱っている業務の中で「あるサービスの予約申込支援」というものがあります。実際には個々の社員がそれぞれの実施施設への予約をおこなうのですが、その過程で幾つかのトラブルが起こることがあって
例えば、混み合っていて希望日時の予約が困難、または、ご本人にとって利便性の高い施設の候補が少ない…などといった点です。
とある時。某社員から電話がかかってきました。かなりの剣幕です。
「私は仕事が忙しいんだ。予約が取れなくて困っている。どうしてくれるんだ」
応対した部下さん、とりあえず謝罪をして「近隣の別の施設ですと比較的予約が取りやすいと聞いております。いかがでしょうか?」と返答するも
「他の施設は利用したくない。」
そもそも、この用件自体かなり理不尽なもの。そこの予約が取れるのが先日程だとしても決めるのか、または、別施設にするのか、答えは二つに一つしかありません。
例え社内だとしても、我が部署にとっては各社員は「顧客」的な存在ですから、ここはグッと堪えて
「では、当方からあらためてご希望の施設の空き状況を確認します」として、部下さん一旦電話を切ります。
すると、数分後にまた電話がかかってきます。
この部下さんは施設との電話中でしたので、別の部下さんが応対。
「さっきお願いしたこと、やってくれてるんですか?他の仕事を先に済ましてるんじゃないでしょうね」
「私は忙しいんだ。何度も言わせるな」
流石にこの言いっぷりには部下さんムッときて、それでも「先ほどの担当者がただいま確認中です。もうしばらくお待ちください」と返すのが精一杯。
なんとかかんとかその後のやりとりで事象は終結しましたが、2人の部下さんともやり切れない思いがいっぱいです。
まずは労をねぎらって、カスハラとして対処を進めることを念のため意思確認をしたところ「お願いします」との返答。
ここまでが、ポイントの1.です。
カスハラを起こした相手や、その上司への毅然とした申し出と再発防止策の要求
そこで、この社員が所属している部署の人事担当者にカスハラの申し出をし、善処してもらうよう託します。
しばらくして「顛末書」「再発防止策」の2つの文書が届いて、そこには「当該社員が業務多忙の状況にあり、つい、感情的になって不適切なコミュニケーションを取ってしまった。今後はこのようなことのないように、上司からも指導を行った」などの旨が書かれてありました。
ここまでが、ポイントの2.です。
先方からの返答に対して、部下さんが納得できているかの確認
その文書を見て、2人の部下さんに再度訊ねます。
「これで、気持ちが落ち着けられることができますか?さらに必要な要望事項があったら言ってください」
2人とも「この回答で大丈夫です」と返事をくれたので、取り急ぎは本件対応が完了です。
でも万が一同じ社員から同様の振る舞いがないかどうかは今後も要注意。
ここまでが、ポイントの3.です。
カスハラって、ホント、顧客側の勝手な心理のなせる技、でもありますし、受けた方の心のダメージもたまったものではありません。
「部下さんたちの心を守ること」が大切
大事なのは、顧客だから、ベンダーだから、に関わらず、決してどちらかが上でも下でもない…という気持ちを忘れないこと。
それでも、残念ながらこの「上から目線」が顧客側に蔓延しているのも現実です。
カスハラに対して上司がすべきは、とにかく「部下さんたちの心を守ること」が大切に他なりません。