社内公募(ジョブポスティング制度)で退職を選ばずに済んだ部下さん

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こんにちは。女性管理職19年の いくみ(@nesan_blogger)です。

人材の採用(リクルーティング)方法の一部として、社内公募(ジョブポスティング制度)を活用している企業も多いですが、我が勤務先も同様。

実際、この制度を利用して異動していった部下さんもいれば、異動してきた部下さんもいます。

なかでも一番印象深い出来事があって、それは社内公募で退職を選ばずに済んだ部下さんのこと。
解説します。

社内公募(ジョブポスティング制度)とは

まずは、「社内公募制度」についておさらい。

人材を募集しているポジションを社員に公表し、社内から応募を募る仕組みのことを指します。

管理者側も、中途採用でリソースを補充するよりも、すでに社内のやり方や文化に慣れている人材の方が信頼性が高いですし、メンバー側も”自分の意思で”(異動を命じられる、ということではなくて)違う仕事にチャレンジすることで、キャリアアップやモチベーションアップにもつながる、いわゆるwin-winの仕組み。

なのですが。

部署を切り盛りしている立場からすると、たとえ社内異動だったとしても、貴重な戦力が欠けてしまうのはなかなかに辛いこともあります。

ま、それはさておき。

とある時、部下さん(仮にCさん、と呼びます)から相談がきました。

社内公募を相談された事例

Cさんはお子さんの病気介護で変則的な勤務時間(しかも、完全在宅)での仕事しかできず、とはいえ、それ以前に専門的な業務経験をお持ちでしたので、契約社員として勤務してもらっていました。

我が部署の業務では、その「専門的な経験」を直接活かす場面はなかったのですが「とにかく、何でも良いので仕事がしたい」とのことで、入社してきてくれた方です。

その相談をもらったのが入社して2年ほど経った頃でしょうか。

お子さんの病気がかなり回復し、大学の寮生活を始められることとなった。ついてはフルタイム&出社メインで仕事ができることが叶い、社内公募に出ている◯◇というポジションにチャレンジしたい。

このような内容でした。

まずは、長らく(おそらく5年くらい)介護の甲斐あってお子さんの回復、何より良かった。
そして、確かに彼女の経験やバックグラウンドは、うちの部署ではなく、そのポジションの方がより活かせるだろう。

とはいえ。

介護が必要→介護が必要なくなったというのは、あくまでもCさんの個人的な事情なのだから、前者の状況を考慮して支援してきたうちの部としては、ここで去られるのは結構シンドイ。

正直に言うことにしました。

同じ会社に居れば、別の形で恩返し

「Cさんの今後のキャリアのために、喜んで推薦してあげたい一方で、あなたに今抜けられると、かなりキツイです」

するとCさん。

「そうですよね…これまで色々とお世話になってきて手のひら返しみたいなこと、いいのだろうか?かなり悩みました。退職して他社に応募しようか(転職)とも考えていたですが、ふと、この社内公募のことが目に留まって。同じ会社に居れば別の形で恩返しができるのでは、って思いました。」

ハッと気付かされました。

【同じ会社に居れば、別の形で恩返し】これを、上司の立場から言い換えると
【同じ会社に居れば、別の形で活躍】
そのための、社内公募なのだ、ということを。

しばらくした後に、Cさんはそのボジションへと巣立っていき、また、たまたまその上司が私の元同僚でもあったことから「いくみさんとこのCさん、うちの部署に来てくれてすごい嬉しい!すでにプロジェクトリーダー候補として活躍間違いなしですよ」と声をかけてもらって私も嬉しくなりました。

人は会社の財産

退職しなくて済んだCさん。

人材を人財とあえて書き記すこともありますが、まさに、人は会社の財産、部署だけの財産ではない、ということをあらためて実感。

こうした好事例ばかりでは、もちろんありませんが、社内公募(ジョブポスティング制度)を、今後とも有効に継続していきたいです。

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この記事を書いた人

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いくみ@女性管理職&ブロガー(ねーさん)

ビジネス書著者、講師(女性管理職の専門家)、ブロガー、ワーキングマザー30年。

40歳で正社員復活し、現在は元上場企業で20年管理職。「人生100年、仕事やライフワークや色んなことにチャレンジしつつ、めいっぱい楽しもう!」というビジョンのもとブログを始めとして、SNS、メルマガで情報発信中。山手線 全駅の記事も人気。2023年4月初出版『女性管理職が悩んだ時に読む本』好評発売中。

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