毎年欠かさず受けている健康診断の胃カメラで「早期胃癌の疑い」との指摘を受けました。
結果、「ESD術(内視鏡的粘膜下層剥離術)」治療のため約1週間の入院。同じような状況にある人の少しでも参考になればと、入院顛末記を書きます。
胃カメラで今回の指摘をされるまでの経緯は別記事にしていますので、よろしければこちらもお読みください。
入院1日目(月曜日)
事前の医師からの説明では、入院期間は約1週間とのことでしたが、
実際には、月曜日の午後(13時)入院、同じ週の土曜日朝(10時)に退院となりました。
手術(実際には内視鏡を使っての剥離術なので看護師さんたちは「検査」と言っていて、それがなんとなく気楽に思えて良かったです)は翌火曜日の午後なので、前日の月曜日にはこれといって何もすることがなく…
なんで前日入院なんだろう?それは、まずはコロナの検査が必要だったから。私が入院したのは2024年5月なので、コロナ5類となってから1年経っていますが、おそらく万全を期して…ということなのでしょう。結果は陰性でした。
4人部屋の予定だったのが偶然空きがなく、個室に入れてラッキー。ホテルのような調度でなかなか快適です。自分のパソコンと会社のパソコン、書籍を5冊くらい持ち込んで準備万端(笑)
個室でも相部屋でもWi-Fi利用可能で、その場合はiPadとセットになっています(有料)
夕方には、主治医が挨拶に来てくれて「明日、頑張りましょう!」と力強いガッツポーズが嬉しい。もうこうなったら「まな板の鯉」で、先生に全て委ねさせてもらいます。
とりあえず、普通に夕食も摂ってシャワーも浴びて、ブログやメルマガを書いたりLINEのオプチャライブを聴いていたり…そうそう、毎週月曜日に参加しているオンライン講座にも途中まで参加して。
なんだかいつもと変わらない一夜でした。
入院2日目(火曜日)
病院の朝は早い。6時になると看護師さんが来て検温と血圧測定。この日から術後翌日までは絶食となるため、点滴開始。
前日に看護師さんから「検査(手術)開始は14時頃です」と聞いていたので、それまで時間があるから、ブログの下書きしたり、ショート動画の編集したり…そうこうしているうちに「今から移動します」と看護師さんが呼びに来て、2人で歩いて行きます。
場所は、初診の際に胃カメラの検査をしたのと同じ検査室。鎮静剤(全身麻酔)使用なので、投与開始以降は昏睡状態。
目が覚めたのはカメラを抜く時だったので、ちょっと「ゲホッ」と息苦しさがありましたが、無事終了。この間2時間30分ほど。事前には「1時間前後くらい」と聞いていたので、かなり長いです。
まだ麻酔が効いている状態でしたので、帰りは車椅子に乗せてもらい病室のベットに直行。ウッツラウッツラしつつも夫に「終わった」のLINEを送ります。
その後しばらくして主治医が来てくれて「思ったよりも奥が深くて剥離するのに時間がかかりました。全て取り切っていますよ」との説明でとりあえず安堵。
この日は水も飲めないので、ヒタスラ点滴三昧(水分/栄養補給、抗生剤)そして、気づいたら寝落ちしていました。
入院3日目(水曜日)
目が覚めた時にも特に痛みなどはありません。胃カメラの検査は慣れっこなので、受検後のいつもの感覚と同じで喉の近辺に違和感がある(3日くらい続きました)くらいです。
水分摂取は再開できましたが、この日まで絶食で点滴三昧は続く…でも、点滴ってスグレモノですね。ほとんど空腹感を覚えずでした。
ずっと寝ている必要をほぼ感じなかったため、引き続きパソコン作業したり本を読んだり…ベッドではなく椅子に座って過ごす時間の方が長いほどでした。
主治医は毎朝外来の診察が始まる前と、午後の診察が終わった後と2回声を掛けにきてくれて心強い。
ただ、あらためてESD後のことを説明してくれて「剥離した腫瘍を顕微鏡で詳しく見ていくのですが(病理診断。おそらく「癌の疑い」も「癌」の確定診断となる)、術後も説明したとおり思ったより奥が深く。腫瘍は全て取り切っていますが、もしかして、剥離後でも残存の影響があるかもしれず、その場合は次の治療が必要。具体的には胃の切除でその場合は消化器外科に引き継ぐことになります。」(この先生は消化器内科です)
「へ?これで終わりじゃないかも?切除って、今度は手術??」
不安というよりも、いやーーな気持ちに苛まれますが、ま、こればっかりは神のみぞ知る?結果を待つしかありません。ちなみに、退院後の診察が3週間ほど後なので、その時まであまり気にしないことにします。
入院4日目(木曜日)
朝、2日振りに食事再開。とはいえ、いわゆる「流動食」重湯を始めとして、オール液体(笑)
なのですが、これがまた美味しい!この日の3食は全てこの状態でしたが、味噌汁、えんどう豆のスープ、りんごのすりおろし、パンプキンスープ、トマトの裏ごし…etc.
残念ながら写真に撮り忘れてしまいましたが、いろんな味や彩りの気遣いがとても嬉しくて、じーーんときました。しかも、胃の違和感も全くなし。無事、お通じもあってホッと一安心です。
前夜は台風のような暴風雨が深夜まで続いていましたが、今朝は快晴。病室からこんな景色が見えて(立地的に小高い丘の上なのです)さらに晴れやかな気持ち。
2日振りにシャワーも浴びられてスッキリ。午後には夫が見舞いに来てくれてオシャベリに花が咲く〜。
残念ながら主治医はこの日以降、週の後半は他院にて勤務とのことにて、退院前少し早いですがお世話になった御礼を伝えました。
入院5日目(金曜日)
朝食から若干の固形物が加わって、焼魚やお浸し、煮物など。ご飯は五分粥に昇格(笑)点滴も昼で卒業です。
すると身体をさらに動かしたくなって、院内の売店やエントランス近辺など、あちこちを散策(外には出ないように…と、そこは流石に止められましたが)
我が病院の正面玄関から撮影したのがこちらの一枚。なかなか「気のいい」場所なのです。
この週も、日々ルーティンでやっている「ブログ」「ショート動画投稿」「メルマガ」「Instagramのフィード投稿」も全て滞りなく完了。
加えて、朝早くてなかなか聞くことができなかったLINEオープンチャットに参加できたり、積読になっていた5冊も読了できて大満足です。これで予後がなんともなかったらサイコーなんだけど。
退院(入院6日目、土曜日)
ここまであっと言う間の6日間。夫が迎えに来てくれて10時頃チェックアウト、もとい(笑)退院となりました。
ちなみに、入院等の際は医療費が高額になるため、あらかじめ健康保険組合から「限度額認定証」をもらっておけば、ある一定額以上を当初から支払わずに済む制度があります。
さらに「マイナ一体保険証」を使うと「限度額認定証」も不要のため、私はこの方法で会計完了。
腫瘍を削ぎ取った後が「人工の胃潰瘍」みたいになっているらしく、治療薬を2剤処方(2.5週間分)されましたが、退院後の食事は普通で良いと主治医から言われましたので、できる限り消化の良いものを心がけて、以後はいつもの食事生活も復活。
ただし、アルコールはしばらくNG、コーヒーもできれば1日1杯でしばらくお願いします、とのことです。
退院翌日以降
翌日は日曜日でしたので、自宅でゆっくり。とはいえスーパーに買い物にも行ったし、炊事や洗濯なども全然こなせちゃいました。
次の月曜日からは満員電車に乗って通勤、仕事も通常通りで特段体調の異変など心配事も起こらずに過ごせています。寝たきり状態がかなり少なかったからか、日常生活への回復も早かったかも。
一点、食事の量は以前より減っていて、胃がまだフル回転前なのでしょう。おかげで体重も減って御の字。
この後は「次の受診」で何を説明されるかへの不安だけが残りますが、ま、なるようになれです。
病理診断の結果
術後3週間経って、病理診断の結果を聞くためと今後についての「次の受診」をしました。
「入院3日目」の段落でも書きましたとおり、主治医的には「もしかしたらこれで終わりでないかも…」という感覚もお持ちだったようで、ある程度覚悟して臨みましたが、結果は
「癌の疑い」から「癌」に確定。とはいえ、今回のESDで終了。
「すべて切除していますし、残存の影響も問題なしです!よく頑張りましたね」と労いの言葉をかけてもらって、心底ホッとするとともに、ジーーーんときました。
なぜ「もしかしたら」と思われたのか、その根拠と結果を照らし合わせての詳しい説明に心底納得です。
(以前に胃潰瘍を患ったことがあり、以後ピロリ除菌後も「萎縮性胃炎」などで胃壁が荒れていたことから、粘膜の奥がかなり固まっている状況だったとのこと。)
この後1ヶ月後くらいにあらためて胃カメラでチェックして剥離後の胃壁が問題なく修復されていたら、治療完了。
とはいえ。
私のように、かつてピロリ菌感染していて除菌した後でも、そうでない人に比べて胃癌発症のリスクが高まる、今後もその点は可能性として残るとのこと。
引き続き1年毎の胃カメラ検査を継続し、また何か懸念点があれば早期に対処することで重症化を防げる、とのアドバイスをもらいました。
最後にひとこと
病気になってしまったことは残念ですが、何かを「タラレバ」で語ろうとしたところで意味ありません。
「起きたことの全てには意味がある」と言いますし、これからの人生、癌を患っても、いや、だからこそ。さらに大切に生きていかねば…とも思っています。
最後に余談ですが、「ガン特約付きの生命保険」に加入していたゆえ、所定の手続き書類を提出後1週間ほどして給付金が振り込まれました。
結構な金額で、受け取った時になんだか嬉しくなっちゃった。
何事も感謝、ですね。