プレゼンティーズムという言葉を聞いて 部下さんのメンタルケアに思い返すこと

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こんにちは。女性管理職19年の いくみ(@nesan_blogger)です。

昨今「プレゼンティーズム」という言葉が取り沙汰されています。

ネットの辞書から引用しますと

「疾病出勤」という意味の英単語。 いわば「出社しているものの、何らかの健康問題によって業務効率が落ちている状況」

部下さんのメンタルケアとは、管理職19年やってきている中でも、最も難しいことの一つと言っても過言ではありません。

出社しているのに(勤務しているのに)部下さんは実は悩んでいる。

思い返すと、これまでそうした場面が様々あって、それでも、不調に気付けなかったことに申し訳ない想いでいっぱいになります。

「全然大丈夫です」という部下さん、実は大丈夫ではなかった

もう、ずいぶん前のことになりますが、とある部下さんとの思い出深い出来事。

残念ながらその部下さんは退職してしまっていて、今では連絡する術もありません。

仮に「Aさん」と呼びます。

Aさんは、とっても頑張り屋さんで、我が部署に入社してきた時は職種未経験でしたが、もの凄い努力をして数年後には大活躍を遂げてくれていたのに。

私はその頑張りを讃えることに一心で、彼女がどれだけのプレッシャーと闘ってきたのかを思いやることができませんでした。

とある時。

いつもと変わらずにデスクに座っているのですが、どこか「心ここにあらず」な様子。心配になって声を掛けると

「全然大丈夫です。全然何もありません」と言います。

そっか、良かった。そんな返事をしたのも束の間。

しばらく経った後に出社してこなくなって「本日体調不良のため休暇をいただきます」とのメールが届いて、翌日も翌々日もずーーーっと同じ状況でした。

本人とは会えず、お父様と会って伝言を託す

最初の頃は「どうぞお大事にね」と返していましたが、連日となると心配が募って「ご様子はいかがですか?よかったら詳しく教えて」と伝えてみたところ、レスなし。

そして、その翌日も翌々日も「本日体調不良のため休暇をいただきます」全く同じ文面のメールです。

もうこの状況ではさすがに上司の私1人で対応し続けるのは無理だろう、と考えて人事担当者にも協力をお願いして、ご家族に連絡を取ってもらいました。

Aさんとは残念ながら相変わらずメールの”定型文"やりとりしかできていませんでしたが、お父様が弊社に訪問くださることになり。

お目にかかって話を聞いて「娘とは連絡が取れています」と聞いた時には心底安堵しました。

部下さんの休職 そして復職も束の間、退職

何故この状況なのでしょう?ということは、敢えて質問しませんでした。

ただ、今後まとまった期間お休みをするならば休職手続きが必要で、そのために提出してもらうべき書類があることをお父様からもお伝えいただけるようにお願いをして。

しばらくして書類が届いて休職されることとなったのです。

数ヶ月後に復職してきてご本人の笑顔を見て「良かったーー!」と言葉を掛けたのも束の間。程なく退職届が出されました。

理由を詳しく教えてもらうこともできず、「体調不良のため」とのみ書かれてあった、その届。

もしかしたら、以前の「全然大丈夫です。全然何もありません」といつもと変わらずにデスクに座っていたときに、気付けてあげたことがあったのではないだろうか?

「プレゼンティーズム」という言葉を聞くようになって、あらためて思い返すのです。

最後にひとこと

私は申し訳ないけれど、何も助けてあげることができなかった。せめAさんが今どこかで、元気に過ごしているであろうことを願って止みません。

そして、このことがあって以降「部下さんの健康管理を上司は見守る義務がある」とあらためて心しました。

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この記事を書いた人

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いくみ@女性管理職&ブロガー(ねーさん)

ビジネス書著者、講師(女性管理職の専門家)、ブロガー、ワーキングマザー30年。

40歳で正社員復活し、現在は元上場企業で20年管理職。「人生100年、仕事やライフワークや色んなことにチャレンジしつつ、めいっぱい楽しもう!」というビジョンのもとブログを始めとして、SNS、メルマガで情報発信中。山手線 全駅の記事も人気。2023年4月初出版『女性管理職が悩んだ時に読む本』好評発売中。

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