こんにちは。女性管理職19年の いくみ(@nesan_blogger)です。
私が”管理職道”を極めようと思ったきっかけを作ってくれた人がいます。
元上司のSさん。
残念ながら10数年前に退職されてしまったのですが、ある偶然が起こって再び我が社にやってきて
縁ってあるんだなぁ。
感謝したもの束の間、またしても退職。縁って何なの?疑問を持ったり。
この上司とはことさら、そんな思いを抱いたもの。
解説します。
職名をつけて呼ばれたことから、闘争心
Sさんとの出会いは2008年。
人事異動で我が部署の責任者としてやってきて、その当時まだ私は課長職でしたが、「グループリーダー(弊社の課長職呼称)いくみさん、これからどうぞよろしくね」
と、わざわざ職名をつけて挨拶されて、やや違和感。
その頃は社内にも女性管理職が少なかった時代だったので「もしや、品定めされているのでは?」と疑問を持ってしまったり。
ならば、実際の姿を見てもらってそこを払拭しよう!と勝手な思い込みからの闘争心が湧いてきました。
些細な出来事ですが、この「闘争心」がさらに上を目指すぞーーというきっかけになったこと、今でも鮮明に覚えています。
やる気を持たせる天才
その後も、私だけでなく周囲のどの部下に対しても「やる気を持たせる天才」のSさん。
何か特別な振る舞いをしているわけではないのですが「組織を盛り上げていく!」という揺るぎない信念はもちろんのこと、部下へ掛ける言葉やタイミング、笑顔も絶妙なのです。
その前の上司がどちらかというと「自分が第一」なタイプで、付いていくのになかなか大変だったこともあり、組織全体がものすごーーく活性化して、それに伴って業績も右肩上がり。
仕事が楽しくて仕方ありませんでした。
上に立つ人のマインドで、こうも変わるのだと「管理職道、かくあるべき」と教えてもらったものです。
突然の退職
ところが。
それから2年ほど経ったとある時「いくみさん、ちょっといいですか」と呼ばれて、次の計画とか戦略とかそんな話題を期待していたところ。
「転職します。最終出社日は◯月◇日です」
は?この人、何言ってるんだろう
我が耳を疑うとはこのこと。
なんでですか?転職して何やるんですか?
あまりのパニックに失礼極まりない質問を次々に浴びせかけてしまいました。
説明はまぁそれなりに理屈が通っていましたが、尊敬していただけに「見捨てられた」という思いが強くて、しばらくは立ち直れなかったほど。
とはいえ、他人の人生ですから、自分がどうこうできることでは当然ありません。
最終出社日に涙を堪えてお別れをしました。
予期せぬ再会 縁に感謝・縁に疑問
その後3年経ったある日。
色々な偶然が重なって、Sさんが再び弊社にやってきたのです。全社キックオフの際に図らずも彼と再会。なんだかバツが悪そうにしています。
そのイベントで外部講師の講演を聞く機会があって、演題はなんと!「ご縁について」
【今、自分のそばにいる人。同じ時代に生まれ、同じ場所で同じ時を過ごしている。それは「ご縁」があるからです】
そんなお話でした。
Sさんとの再会、私の中ではどちらかというと、しっくりしない思いが大きかったですが
よっぽどのご縁なのだろう。と妙に頷きました。
冒頭にも書きましたとおり、再びまた退職していってしまったのですが、Sさんがかつて私の上司だった時の「事業本部長」を2代後くらいに私が受け継ぐこととなり。
そして、何よりも「管理職、かくあるべき」のあの教えは私の中でとても大切にしていること。
実際にはその後2度と会うことなく今に至りますが、縁を喜んだり疑ったり複雑な心情ではあったものの、どこかまだ、Sさんと繋がっているのかもしれません。