人は誰しも「無意識の思い込み」って持っているもの。
ここ数年よく耳にするようになってきた、いわゆる”アンコンシャス・バイアス”悪いこととかいいこととかでなしに、その付き合い方を心がけることが大切。
私の専門である”女性管理職”の立場から解説します。
アンコンシャス・バイアスとは
まずは「アンコンシャスバイアスって何?」
日本労働組合総連合会のWebページから引用します。
アンコンシャス・バイアスは、「無意識の思い込み、偏見」と訳され、誰かと話すときや接するときに、これまでに経験したことや、見聞きしたことに照らし合わせて、「この人は◯◯だからこうだろう」「ふつう◇◇だからこうだろう」というように、あらゆるものを「自分なりに解釈する」という脳の機能によって引き起こされるものです
これって、はるか昔から人間の持つ習性なのだと思いますが、ここ最近は特に「多様性を尊重しましょう」という世の中のダイバーシティ推進の取り組みから、特に取り沙汰されるようになってきました。
女性管理職の立場からの「アンコンシャス・バイアス」
日常の仕事の中でも、ついそんなふうに囚われてしまうこと、ありますよね。
女性管理職の立場から語らせてもらいますと、
例えば、男性で年上の部下さんに対する時。
「この人は私のことをきっと、『女性で年下の気に食わない上司』と思っているのだろう」(実際にはご本人、そんなふうに思っていないのに)
例えば、部下さんがミスをしてしまった時。
「ふつう、◯◯というやり方をしますよね。なぜ違うやり方なのですか?」(だから、ミスを引き起こしたのだ。と暗に責めているようなもの)
…etc.
挙げ出したらキリがないし、自分の思い込みを通すことで「自然体でやっている」みたいに勘違いしてしまいます。
一方”女性だから”という括りで、他者からバイアスがかけられることも多々。
- 女性に管理職が務まるの?
- 女性は家庭を守るのが使命
- 子供を預けて母親が外で働くなんて
…etc.
逆に、そうして意見(説教?笑)されることが返って自分にとって「アンコンシャス・バイアス」に対しての意識を持たせてくれたとも言えます。
アンコンシャス・バイアスとの付き合い方
冒頭でも書きましたとおり、アンコンシャス・バイアスは誰しもが持っていますし、それを完全に払拭して「オールクリーン」な思考をしようとしたところで、無理です。
大切なのは、一人一人それぞれの主張やら正義感やらに終始するのではなくて「そういう偏りもあるよね。でも、別の偏りもある。
繰り返しになりますが、思い込みを通すのは自分にとっては快適かもしれません。
でも相手にとっては迷惑かもしれない。
お互いに、勝ち負けとかじゃなくて『あいこ』でいきましょう、ということが大切なのです。
最後にひとこと
余談ですが、我が部署に、とっても物事を大袈裟に捉えるタイプの部下さんがいます。
常に「ちょっとおかしいと思いませんか?どうにかなりませんか?」と大声で叫んでいる様子をしばしば目に(&耳に)して、
「あらら、また始まったよぉーー。うるさいなぁ」とつい、ネガティブに感じ取ってしまうのですが、実は、かなり大事なポイントに気づいてくれていることも多い。
「うるさいなぁ」じゃなくて「ありがとう」と気持ちを切り替えるように心がけること。
これもある意味、上司としてのアンコンシャス・バイアスとの付き合い方なのかもしれません。