このブログや拙著『女性管理職が悩んだ時に読む本』でも、部下のことを言い表す際には「部下さん」と、さん付けで呼んでいます。
本来ならば「部下」というのが正しい言い方なのでしょうが、私はさん付けを徹底していて、何故そうしているのか?
拙著の出版記念講演会で、編集者さんが語ってくれたことも交えて解説します。
私が「部下さん」と呼ぶ理由
まずはその理由について。
ズバリ部下さんのことをリスペクトしているからです。
自分が管理職として張り切っていられるのも、付いてきてくれる部下さんがいてこそ。
時として不甲斐ないこともある「ポンコツ上司」な私にとっては宝。
部下さんに育ててもらっていると言っても過言ではありません。
もうね。愛すべき存在。
いわゆるトップダウン型のイケイケ上司が頼もしいと考える人もいるでしょう。それはそれとして。
「部下さんをリスペクト」が私のマネジメントスタイルです。
ちなみに、自分の上司に対しては厳しいです。時々陰で「○○〜(上司の名前)」と呼び捨てにしちゃうくらい(笑)
「部下さん」っておかしくないですか?
冒頭にもお伝えしました通り、拙著『女性管理職が悩んだ時に読む本』でも、すべて「部下さん」と書いているのですが、
出版記念講演会の参加者さんから、質問をもらいました。
「部下さん、って(文法的にも)おかしくないですか?なぜ、敢えてそのように書いているのでしょうか?」
実は、私自身、書に著す時に果たしてこの言い方で良いのだろうか?単なる自分の信念を貫くことに拘って良いのだろうか?
悩んで編集者さんに相談しました。
すると「OKです」とすぐに返事をもらって、その通りに敢行。
講演会時に質問者への回答として、編集者さんが説明してくれたことが、あらためて刺さりました。
確かに、正しい表現ではないかもしれません。校正者からも指摘を受けていました。
しかし、その言いなりになるのではなく、いくみさんの「部下への敬意を失いたくない」という気持ちを大切にしたいと考えたのです。
烏滸がましい言い方かもしれず、すみませんが、私の信念と編集者さんの信念の合わせ技。
「本とは普遍性と独創性があってこそ、なのです」
結びの言葉に心底惚れました。
リスペクトを大切にしていれば、パワハラは起きない
少々論点が変わってしまいますが、「部下さんへのリスペクト」を大切にしていれば、パワハラは起きないです。
ハラスメントって、強い立場者が弱い立場者に、ひたすら上から目線でプレッシャーをかける…みたいな現象ではないでしょうか。
もちろん、単なる「いいひと」に終始するのではなく、時には毅然と接することも必要ですが、「おまえら〜文句言わずに付いてこいっ」じゃなくて「みんな〜付いてきてくれてありがとうっ」の精神。
指導する、というより、支援する。
上司なんて、大して偉い存在でもなんでもなく、ちょっと先をいく先輩なのだから。
最後にひとこと
時々、堅苦しい場で「部下」とさんをつけずに何かを説明しようとすることもありますが、なんとも心地悪い。
部下さん、と呼ぶのが私にとっては座りがいいのです。