拙著『女性管理職が悩んだ時に読む本』
私が経験してきた管理職18年の悩みや向き合い方を軸にして綴っています。
一方「単なる一個人の経験談に終わらないための編集の工夫」も施されていて、編集者さんのnote記事をお借りしつつも解説します。
本は第1章〜第2章が大事?
書物についてよく言われるのが「第1章〜第2章が大事」という点。
もちろん”つかみ”の部分として最も肝となるのがこの冒頭パート…読者の立場になってみても解ります。最初の2章でピンと来なければ、そのまま離脱されてしまう…大いにあるでしょう。
ところが、拙著では、ちょっと異なる”つかみ”を編集者さんが工夫してくれたのです。
それってどういうこと?次の段落でさらに詳しくお伝えします。
『女性管理職が悩んだ時に読む本』編集のポイント
この本は2部構成で、第1部に第1章〜2章、第2部に第3章〜6章となっていて、
第2部の「60の悩みあるある」がメインパートなのですが、その前に第1部として我が国の女性活躍推進の歴史的な流れと、自分自身のキャリアヒストリーについてを書いています。
なぜ、そのように組み立てたられたのか?
編集者である、日本能率協会マネジメントセンター・東 寿浩さんのnoteから引用させていただきます。
編集としては、目玉は第2部ではあるものの、第1部をしっかり書いていただくことも重視しました。
いきなり制度や歴史の話になって「え?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、ここがあることで、いくみさんの歩んできたキャリアの背景にある社会情勢が見えてくるのと、第2部のお悩みについてのコメントが上滑りしないようになるかな、と思っています。お悩み相談って、「何が語られているか」も大事ですが、同じくらい、あるいはそれ以上に「誰が語っているか」も大事ではないかと思うのです。
だから、「第2章 いくみはどうやって歩んできたの?」がないと、誰がどういう経験を踏まえてお悩み解決をしようとしているのか、全くわからないわけで、その背景には、制度の後押しもあるし、時代の流れもある。ちょっと俯瞰しておく必要もあるのかな、と。そうして広がりを持たせつつも、研究者や理論家が語るものではなく、あくまでも現場で戦ってきた女性管理職の「生の声」であることは大事にしたい、と思って編集しました。
だって、理屈だけじゃ解決できないことがたくさんあることは働いていたらよくわかっているし、そういう時に必要なのは共感、言語化ではないでしょうか。
実は、本が出てから、全く別の話として「第1章〜第2章が肝」ということを聞く機会があって、自分の本は必ずしもそうでないことが少々気になってしまっていました。
もちろん、編集者さんに全幅の信頼をおいていますので、取るに足らないことというのは頭では解っていますが「巷の一般論」に、つい振り回されてしまいそうになります。
このnoteは拙著の出版記念講演会に参加された後に書いてくださったのですが、記事を読んで心底納得。あらためて、編集者さんへの感謝の思いでいっぱいになりました。
本とは、編集のオリジナリティがあってこその完成物
原稿を書くのは著者自身ですが、単なる文章のカタマリだけでは本にはなりません。
書物としてお届けするためには、いかに読者さんの目線に寄り添って組み立ていくのか?お恥ずかしながら、書いている当事者では視野狭窄に陥ってしまいがち。
著者と編集者さんの二人三脚、編集のオリジナリティや信念があってこその完成物なのです。
最後にひとこと
本とは、著者の思い、編集者さんの思い、読者さんの思いの立方3D。
あらためてそのパワーを実感しています。
出版記念講演会の様子については、コチラの記事をどうぞ。