「そっと後押し」ナッジ理論の活用 部下さんに行動を促すときの考え方

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こんにちは。女性管理職18年の いくみ(ねーさん@nesan_blogger)です。

部下さんに行動を促す必要のあることは多いですが、「みんな、やってねーーー!!」と声を掛けるだけでは、なかなか心が動かないもの。

人に行動してもらうのって、どうすれば良いのだろう?いつも悩みますが、外部の研修会で「ナッジ理論」を学ぶ機会がありました。

私と同じような悩みを持っている管理職の人たちへ参考になればと、この記事を書きます。

ナッジ理論とは

「ナッジ理論」とは、米国の行動経済学者 リチャード・セイラー博士らが提唱されたもので、2017年にノーベル経済学賞の栄誉に輝いたほどの学説。

ナッジ=nudgeの和訳は「肘などでそっと突く」
強制するのではなくさりげない仕掛けで、人の行動を望ましい方向に導こう…という趣旨です。

研修で紹介された例を引用します。

バス停を利用する乗客に並んで待ってもらうように「ここの線から並んでください」と貼り紙をするのではなく、歩道上にさりげなく枠線を引いておく

また、糖尿病などの生活習慣病予防を目標とした、東京都足立区の「野菜から食べる」「野菜を3食しっかり食べる」「野菜をよく噛んで食べる」取り組みについても教えてもらいました。

あだち ベジタベライフ -そうだ、野菜を食べよう

「行動をそっと後押しする」

なるほどーー!共感しきりです。

部下さんをそっと後押し 事例を考えてみる

「みんな、やってねーーっ!!」と号令を掛けるだけなら、ロボットにだってできます。

でもね。人が人に何かを促そうとするのだから。そんなふうに言われたって腹落ちしません。
仮に行動したとしても、どこか「仕方なく」「嫌々」みたいになりかねない。

実際に、自分の仕事でどう活用できるか頭を捻ってみよう。

例えば、それこそ「研修」
会社で指定される必須のものって幾つかありますが、特に昨今はe-Learning形式も多く、ほとんど義務感メインで「流し受講」みたいになってしまいがち。

そこで、まずは自分が受けてみての感想や特に「ココが役立ちポイント」というところを簡単にまとめて、メールでメンバーに伝える。

逆の立場で考えると、人が面白いと感じている点が具体的に解ると興味を持てるようになるもの。

あるいは、期限をなかなか守ってくれない部下さんがいる場合。
必要な書類の提出を依頼するときに「みんなが期限を守ってくれるから、とても助かっています。いつもありがとう」と申し添える。

小さなことばかりかもしれずお恥ずかしいですが「そっと後押し」をキーワードにすると、色々と浮かんできます。

象の親子のイメージ

ナッジ理論原著の表紙には「象の親子」のイラストが描かれています。

親象が鼻で子象を「そっと押しながら」共に歩く、そのイメージがナッジの象徴であるからとのこと。

どう後押しすれば良いだろう?と迷ったときに、確かにこのイメージ、参考になります。

最後にひとこと

いつもこのスタンスばかりじゃなく、時にはトップダウン的に振る舞わなければならない場合もあるけれど、所々でナッジのエッセンスを効かせられる、そんな上司でありたい。

あらためて気付かせてもらった学びのときでした。

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この記事を書いた人

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いくみ@女性管理職&ブロガー(ねーさん)

ビジネス書著者、講師(女性管理職の専門家)、ブロガー、ワーキングマザー30年。

40歳で正社員復活し、現在は元上場企業で20年管理職。「人生100年、仕事やライフワークや色んなことにチャレンジしつつ、めいっぱい楽しもう!」というビジョンのもとブログを始めとして、SNS、メルマガで情報発信中。山手線 全駅の記事も人気。2023年4月初出版『女性管理職が悩んだ時に読む本』好評発売中。

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