こんにちは。女性管理職18年の いくみ(@nesan_blogger)です。
仕事において様々な決まり事やルールが存在しますが、ルールに一部沿ってはいるけれど、一部反している…という「グレーな事案」に遭遇することがままあるもの。
管理職として物事を判断するときに、この「グレー」をどうすべきか?悩ましいものです。
私自身は性格的に”グレーなものは認めない”という考えが上回ってしまいがちなのですが、同僚の判断ぶりを見て学んだことがあります。
それは「解釈の幅を広げる」
詳しく解説します。
判断に迷うときの対処法とは?
業務のひとつに【ある制度を利用するのに、各社員に必要な要件が備わっているかどうかを定期的に確認の上、承認する】という作業があります。
要件が明確に示されていいるものならば良いのですが、少々曖昧なパターンもあり。
同様の業務に携わっている他の管理職たちと「要件外と思われるものは承認不可だよね」と話し合っていて、私もその通りに進めようとしていました。
ところが、1人の同僚が違う意見を出してきます。
なんでも、ある部下さんから「制度をこれまで利用していたのですが、一部要件に合っていないのでは?という状況が発生してしまいました。何か良い方法はないでしょうか?」と相談された模様。さらに話を聞いてみると、その「要件に合っていない」の詳細は、なかなか判断が難しい点がありそうです。
とはいえ、グレーなものは認めない。そこが揺らいでしまうと他の社員たちへの示しがつきません。
そう返してみましたが、同僚氏、まだ首を捻っている。
「あらためてこの社員の要件が合っているのかいないのか、根拠性を考え直してみる」そう言って席に戻っていきました。
同僚の下した判断は「解釈の幅を広げる」
参考にさせてもらおうと、彼の確認作業を傍で見守ることにします。
申請者各自が、要件表のフォーマットに沿って必要事項を記載の上提出してきているのですが、そこに書かれてある内容。確かに「全く当てはまっていない」とは言い切れない部分もある。
それでも、私にとっては「却下だろう」という思いに変わりありません。
すると、同僚氏。
「この点はOKと解釈できる要素もあるから、今回は承認とします。ただし、今後の状況によっては変更する必要性も出てくるだろうから、現状から変わった点があったら速やかに報告ください」
表現に悩みつつ何度も何度も書き直しながら作成したメールを部下さんに送ったのです。
すぐさま返信が来て「ご配慮ありがとうございます。助かりました」感謝が述べられています。
”解釈の幅を広げる”私にはなかなかできていないこと。
1人の部下さん、その人だけの状況なのに個別に熟慮しての判断。彼の度量の広さを感じました。
どこまで「解釈の幅」を広げるべきか?
ただし、ルールはルールですから、際限なく応用していいものではありません。
やたらめったら「なんでもOK」とするのではなく、ここまでは良しとする。基準をしっかり定めておいて、常にブレないようにすることも大事。
ご紹介した事例のように、今後に関して最後に補足しておくのも、やんわりと「なし崩してはない」という点を伝えているとも言えます。
その辺りも押さえての判断。私がついやりがちであった「なんでも却下」とするのではなく、臨機応変な対応を心がけたい。
あらためて気付きをもらいました。
最後にひとこと
管理職として最も大切なことの一つが「部下さんへの寄り添い」というのが私の信条でもあります。
グレーなことへの判断は、そうでない部下さんへの寄り添いにはなるかもしれませんが、グレーなことを抱えている部下さんにとっては、見放された感を与えてしまうかもしれません。
判断することも管理職の大きな役目。そのやり方やスキルはまだまだ研鑽が必要です。