こんにちは。女性管理職18年の いくみ(@nesan_blogger)です。
部下の成長を支援するのが上司の務めのひとつですが、言い換えると「専門家」つまりその業務のプロフェッショナルとして確かな道筋を歩んでいくための後押しすること、とも言えます。
我が部署の新人さん。1年間で目覚ましい成果を挙げてくれて頼もしい限りなのですが「1年でここまでやり遂げたってこと評価してください」と主張します。
果たしてこの新人さんは「専門家」と言えるのか。これまでの私の管理職経験から答えは「ノー」です。
では、部下さんに”真の専門家”となってもらうために、上司は何をすべきでしょうか?
様々な部下たちの支援に悩みのある管理職の人たちに参考にしてもらえたらと、この記事を書きます。
専門家を語るのには何年の積み上げが必要?
まずは、専門家を語るのには何年の積み上げが必要?という点について。
もちろん職種やそれぞれの状況により一律ではありませんが、最低3年だと私は考えています。
いかに短期間で目覚ましい成果を挙げたとしても、もしかしたら「ビギナーズラック」の側面もあるかもしれません。
専門性を磨いていくということは、何も成功事例を積み上げるばかりではなくて、ある期間に成功を収めたとしても、違う時には同じことをやっているのに上手くいかないことだってある。
トライアル&エラーを繰り返しながら、自分ならではの確固たる方法を作り上げていく。失敗したときにどうしたらいいのか…という経験に基づいての方法もきちっと持っておく。
それが専門家と言える所以なのです。
新人さんが「評価してください」と主張する心情
次に、今回の部下さんのように「1年でやり遂げたことを評価してほしい」と主張する本人側の心情を考えてみます。
おそらくその背景には
“周りの人たちが3年かかっていることを自分はたった1年で成し得た”的な、ある意味他者と比較しての観点があるのではないでしょうか。
もちろん成果は素晴らしいことですし、否定するつもりもありません。本人も並々ならぬ努力をしてこその結果に違いない。
ただし、それがすなわち専門家であるということではなくて、周りの人たちがなぜ時間をかけてそこに到達しているかということもしっかり受け止めてほしい。
我が新人さんとそんな対話を進めてみます。
経験則が専門家の強み
一方、なんとなく年数を重ねただけでは決して「専門家」とは言えませんよね。
経験則こそが専門家の強みなのです。
経験則とは実際に経験された事柄から見いだされる法則のことである
– Wikipediaより引用
会社仕事の区切りでいうと1年(つまり、会計上の1期)では、「ある年度の状況から見出されたこと」を経験するのみなので、「次年度の状況」「次々年度の状況」って少なくとも3クールやってみて見出されたことこそ、法則化ができるもの。
専門性というのは何かの法則を人に教え得ること、とも言い換えられます。
部下さんが真の専門家として活躍してくれることに寄り添う
ここまで、「1年で功績を認めてください」と主張する部下さんのことを例に、専門家を語るには何が必要なのか?という点にフォーカスしてお伝えしてきました。
そんな部下さんもいれば、長年貢献してくれているのに「私なんて・・」と謙遜しきりな部下さんもいます。
上司のマインドとして必要なことってなんだろう?あらためて考えるに、それは、一人一人が真の専門家として活躍してもらうことに寄り添う。
表面的に「私は専門家です」って語るのなんていくらでもできますが、背中にいるメンバーたちに目標としてもらえるような存在になるためには、それなりの重みが必要なのです。