イングリッシュ・ドクター西澤ロイさん。
日本人の英語ニガテをなくし「英語で誰も挫折しない世の中にする」とのビジョンのもと、さまざまな活動をされています。
西澤ロイさんの2022年8月新刊『英語学習のつまずき50の処方箋』は、私たちが英語学習に挫折しやすい点を"症状別処方箋"というユニークな形式で解りやすく教えてくれる、オススメの一冊。
そのポイントを一言で表すのに、著者が出版記念講演会でお話されていた言葉をお借りします。
英語に対する「モヤッと感」を可視化することで解決に役立ててもらいたい
モヤッと感…確かにあります。でもそれが何なのか?自分でもよく解っていないこともあるから、つい、つまずきそうになります。
それを可視化してくれて、対処法を具体的に知ることができて、きっと苦手を楽しさに変えてもらえる。
さらに詳しく紹介していきます。
『英語学習のつまずき 50の処方箋』つまずきにはどんな種類があるの?
英語学習のつまずき50個って、具体的にはどんな種類があるのだろう?
本書では「イングリッシュ・ドクター」の西澤ロイさんらしく、7つの科(例えば「単語学習科」「発音科」「資格試験科」など)に分類、さらに各科ごとの症状(病名)と解説が詳しく書かれていて、最後に処方箋で締めくくられている点が、まさに"治療してもらっている"ような気持ちになれます。
本書の使い方として巻頭で説明されている箇所を引用すると
あなたの英語上達を妨げている「英語病」を発見するために"人間ドック"(英語病ドック)のような形で診断や処置が行えます
なるほどーー英語病。
自分はどこの壁(病)にぶつかっているのだろう?全部かもしれないし、その中の一部かもしれない。
全ての科を順番に熟読するのもよいですし、気になったところから集中して取り組んでみるものよい。
一つずつの症状と処方箋が2〜3ページ程度コンパクトにまとめられ、さらに参考書籍も示されていてとても助かります。
巻末付録のカルテシートでチェックができるのもポイントです。
自分の「英語病」をチェックしてみる
では、自分の「英語病」とはどんな状況だろう?
本書を読んでみて、かなり当てはまるものが多くお恥ずかしい限りですが、そのうち最も代表的かなぁと考えられるものをお伝えします。
もたつきスピーキング病
症状:英単語やフレーズがパッと思い出せず、つい「えーと」と考え込んでしまう
実は私、かつてはかなり英語学習に頑張っていたことがあり、その頃はおこがましくてすみませんが、結構英語が喋れていたのです。
ただ、当時から30年以上経ってしまって今となってはもう、もたつきの連続。
実際に英語を話す機会自体もほとんど無い状況ですが、たまにその時が訪れると、最初の挨拶はさておき、次の言葉が出てこないことしきり。だから、余計に苦手意識が膨らんでしまいます。
処方箋:単語カードを使ってのアウトプット練習で瞬発力を鍛えることができる
見たり読んだりするだけでなく、実際に口に出してみる。
インプットとアウトプット繰り返しの重要性が巷間言われるようになっていますが、英語学習についても大事なポイントなのですね。
以前買っておいて使っていなかった単語カード、早速机の中から見つけました。活用してみることにします。
学生時代は「ウノミー(暗記病)」英語嫌いだった
前段落でもお伝えしたとおり、ある時期英語学習に頑張っていた私ですが、実は学生時代は大の苦手、英語嫌いでした。
本書で言うところのまさに「ウノミー(暗記病)」
とにかく覚えることが多くって、単語やイディオムや文法や次から次へと教科書に出てくるものに辟易してしまいすっかり挫折。中学時代はまだなんとかついていけたものの、高校時代の成績は惨憺たるもの。
英語ができなくったって困りゃしない。などと開き直っていました。
ところがある出来事をきっかけに「英語が自在に使えるようになったら、嬉しいなぁ」という気持ちが沸々と湧き上がってきて、そして、学校の先生から押し付けられるのではなく自分の意志で学んで、その楽しさを味わうことができた。
学生時代のモヤッと感とは、おそらく、英語病の重症者だったことでしょう。
当時の私は色々と試行錯誤しながら英語学習を進めていきましたが、あの時に本書に出会っていたかった!!
最後にひとこと
以前に、西澤ロイさんの英会話講座を受ける機会があって、最初にお聞きしたことが今でも印象に残っています。
「中学校での英語教育を経ている日本人は、実は、誰でも英語が話せるのです」
確かに思い出してみると、たとえば、よく使う動詞「have」「take」などは、ほぼ中学校の時に教わった記憶があるし、人称代名詞や一般名詞にしても然り。
英語を活用していきたいのに、苦手意識が先走ってうまくいかない。それはあなたが悪いのではなくて、きっとなんらかの"英語病"が原因に違いありません。
英語学習にお悩みのある全ての人たちに。ぜひ手に取って欲しい一冊です。