こんにちは。女性管理職16年の いくみ(@nesan_blogger)です。
部下さん一人一人のキャリアビジョンは様々あって、できる限り細やかに応えたいと思うものの、メンバーの意向とチームリーダーの意向が相反してしまうこともありがち。
「あちらを立てればこちらが立たず」そんなときに上司はどう心がければよいか?
この記事では、私が経験した具体的な事例と気づいたことについて書いています。
「あちらを立てればこちらが立たず」事例
まずは「あちらを立てればこちらが立たず」事例について。
我が勤務先では、あるポジションについて人材を補充したいときに、社内公募というシステムがあります。
いわゆる「ジョブチャレンジ」のような仕組みで、現在の所属部署から新たなキャリアを目指したいときに、活用してもらうものです。
部下さんが手を挙げてくれるのは嬉しい一方で、直属上司であるリーダーにとってはメンバーが抜けてしまうのはかなり辛いもの。
部門責任者として一人一人の成長を後押ししたいという思いと、リーダーがチームマネジメントを懸命にやってくれていることへのリスペクトと。
板挟みになって悩むことしきりです。
「あちらを立てればこちらが立たず」対処法
では、そんなときにどうすれば良いでしょうか?
人の問題って、仕事をしていく上である意味最も大切なことだから、上司側の意図とか思惑とかを抜きにして、とにかくそれぞれの部下さんとしっかり向き合うようにします。
- ポジションチェンジを希望してきた部下さんには、チャレンジありがとうと伝えて、実現するためにはどうしたら良いか?意見を聴く
- リーダーには、本人の意向を実現することが可能なのか?そのためには会社として何を助力すれば良いのか?率直に相談する
私にとっては、メンバーだろうがリーダーだろうが等しく掛け替えのない部下さんたち。
当事者どおしで直接話し合うと上手くいかないこともあるので、上司は取り持ち役に徹します。どちらかに加担するのではなく"ニュートラルに"心がけることもポイント。
もちろん、1回の話し合いでまとまらないことも多いですから、一方の思いを汲んだらもう一方の思いも汲む…を何回か繰り返していくうちに、だんだん方向性が見えてきます。
不要な情報は伝えない
加えて肝心なのが、不要な情報は伝えないということ。
お互いの言い分として「ここだけの話」というのが出てくることもあって、その点がある意味核心の一部だったりしますが、あくまでも「ここだけの話」として伝えてくれているので、上司がみだりに相手方に口外すべきではありません。
あちらを立てればこちらが立たず…同じような悩みをもつ管理職仲間と、やりかたについて話し合う機会があったときに「核心だと感じたのならば、いっそのこと共有した方がいいんじゃない?」という意見も出ましたが、人間は感情の生き物。
ネガティブなことを人伝に聞くことで、感情が揺さぶられてしまい、話し合いが成り立たなくなってしまっては元も子もない。
上司の中だけに仕舞っておくべきことだってあるのです。
時間軸の長さ調節も一助になる
こうした事例の場合「時間軸の長さ調節」も一助になります。
例えば「ジョブチャレンジをしたい」と希望する当の本人は、新たな目標につい気が急いてしまうもの。
逆に送り出す方は、できる限り次の手立てをしっかり構築してからと、やや長期的に捉えようとして、お互いの時間軸の長さにかなりギャップがある。
急過ぎても冗長過ぎても上手くいかないだろうから、いちばんベターな「時間軸」を見出すとよい。
長さ調節を上司がおこなうことで、どちらの立場にもある程度配慮しつつ、ある程度妥協もしてもらって解決が図れることもあります。
最後にひとこと
全員がハッピーに丸く収まることって、なかなか現実には難しい。
お互いの「納得ライン」へと導くことも、上司の努め次第です。