こんにちは。女性管理職16年の いくみ(@nesan_blogger)です。
部下さんがいつもニコニコしているとホッとするものです。ところが、笑い上手な部下さんほど実はケアが必要な場合もある。
私が経験した「ニコニコ部下さん」についての勘違いと、スマイルの奥にある感情を気にするためのコツについてご紹介します。
「ニコニコ部下さん」私の勘違いとは?
まずは、どんな勘違いをしてしまっていたのかについて。
実は何人かの部下さんについて、似たようなケースがあったのですが、とりあえずこの記事では「Aさん」と呼ぶことにします。
Aさんはいつも微笑んでいて穏やかな印象の持ち主。周囲からも慕われていました。
しかし、仕事上での困難やトラブルがいくつか重なったこともあってか、あるとき塞ぎ込んでいる様子が見受けられる。
「どうしましたか?」と声を掛けてみると、急に攻撃的な発言を繰り返します。
表情はニコニコとまでいかないものの、決して険しくはなく穏やかさを残しているのですが、話している内容が「あの人には問題がある」「この人には能力がない」などといった、他者への非難とも取れるもの。
そして「だから私は大変なのだ」という話に及んでいくのです。
もしかしたら、Aさんは自然と笑みを浮かべているのではなく、怒りだったり不安だったりを覆い隠そうと、できる限り笑顔で振舞うようにしているのではないだろうか?
ハッと気づきました。
スマイルの奥にある感情を気にかけるためのコツ
それ以来、Aさんの「スマイルの奥にある感情」を気にかけるようにします。
私がコツと考えているのは以下の3つです。
- 何かに困ったり挫けたりしていないか?こまめに聴いてみる
- 独り言が多くなっていないか?なるべく近くに座って様子をうかがえるようにする
- 意識して労をねぎらう言葉がけを多くする
これは私の想像ですが、元々はどちらかというと心配性だったり批判的だったりの気質を持っていて、なるべくそれを見せないように敢えて笑顔でいる、ある意味Aさんの処世術なのかもしれない。
それ自体はもちろん悪いことではないですが、もう少し肩の力を抜いて素のままでいる場面があってもよさそうです。
笑顔を作ること自体が時としてストレスになってしまっては元も子もありません。
本人の個性にじっくりと付き合うことが肝心
部下さんのタイプは様々あって、自分の思考と似ている場合は好意的に捉えますが、そうでない場合はつい苦手意識が芽生えてしまいがちです。
もちろん人間は感情の生き物ですから、全くそこを抜きにして行動するというのはできませんが、少なくとも上司としては「自分の思考」というのをいったん脇に置いておき、なるべくニュートラルを心がける。
そして、それぞれの個性にじっくりと付き合うことが肝心です。
今回は「ニコニコな部下さん」について書きましたが、逆に「いつも苦虫を噛み潰したような表情の部下さん」だったら、本当は笑っていたいのに敢えて逆を振舞っているのかもしれません。
表面的なことだけでなく、その奥には何があるのかをよく考えてみる。
自分が見えているものよりも、見えていないもののほうが多いのです。
最後にひとこと
Aさんに「その後どうかしら?いろいろと大変だったね」と労いの言葉を掛けてみたところ。
「私、いやなことはすぐ忘れるタチなので、平気です」
そうなんだ、わかりました。とは返してみたものの、強がらなくたっていいのになぁ…とまたしても心配が増えてしまいました。