こんにちは。女性管理職16年の いくみ(@nesan_blogger)です。
これまで、延べ人数にすると300名くらいの部下さんと関わってきました。
長年経験を積んできているつもりでも、部下さんとのコミュニケーションに悩むことは多々。
そんなときに、心理カウンセラー 小倉広さんの書『コーチングよりも大切なカウンセリングの技術』を手にとってみました。
私はなぜ、この本を読みたいと思ったのか。そして、読んで得たことについてをご紹介します。
『コーチングよりも大切なカウンセリングの技術』なぜ読みたいと思ったのか
まずは、この本を読みたいと思った動機から。
管理職になって最初の頃は、つい「指導的なスタンス」を取ろうとしてしまっていました。
もちろん業務については"教えていくこと"が必要ですが、基本的なことを習得してもらった後は指導よりも寄り添いが必要なのだ。ある時期からそのことに気づき、できる限り貫くように努めて現在に至ります。
人材教育において「コーチング」という言葉が用いられるようになって久しいですが、実は私はこの言い方には違和感を持っていたのです。
『コーチングよりも大切なカウンセリング』本書のタイトルを見て、ピンときました。
指導よりも寄り添い。私が大切だと考えていることをさらに実践していくために、きっとこの本に書かれてあることが後押ししてくれるに違いない。
実際に読んでみたら、期待したとおりで嬉しくなりました。
『コーチングよりも大切なカウンセリングの技術』から得られたこと 3つのポイント
では、この本から何を得られたのか?
3つのポイントについて、第1章から引用します。
- カウンセリングが先、コーチング、ティーチングは後
- 悩みが消える、解決策が浮かぶ
- 必要に応じて上司の立場でも発言する
特筆すべきが、こうした概念がより解りやすく腹落ちできるように、所々が漫画仕立てになっている点。
これらのポイントをふんわりかつシッカリ実践している「ココロ部長」という漫画中のキャラクターがとても素晴らしいのです。
「ココロ部長のようになりたい」あらためて心しました。
次に、3つのポイントについての解説を加えていきます。
カウンセリングが先、コーチング、ティーチングは後
そういえば。コーチングやらティーチングやら、色々な言葉があったものだと思い浮かびます。
解決策を指示するのがティーチング。
解決策を部下に考えさせるよう質問するのがコーチング。
本書であらためてその分別についてを知り、きっと過去の私はこのことばかりに囚われていたのだと反省。
解決策を考えることはいったん脇に置いて、受容・共感するのがカウンセリング。すると、ティーチング、コーチングをするまでもなく、勝手に部下の中で答えが見えてくる。そんなミラクルが起きるのです。
今の私が大切にしているのが、まさにこのことでした。
悩みが消える、解決策が浮かぶ
部下さんの悩みの多くは「自分って、なんで上手くできないんだろう」という自責の念であること。
もしくは「誰かのせいで自分が辛い思いをしている」みたいに、人と比べての点もあります。
そんなときに何かを指導しようなどと試みたって逆効果なのです。本書にあるように、とことんじっくりその思いに付き合う。
すると、部下さんが自ら解決策を思い浮かべたり、そもそもこの点を悩む必要なかったのだと気づいてもらえたりします。
必要に応じて上司の立場でも発言する
とはいえ。
上司がただの「寄り添いびと」に終始してしまっても、また上手くいかないもの。
なかなか塩梅が難しいところですが、上司はカウンセラーでなくて部下さん一人一人を盛り立てていきつつ、業績向上につなげる当事者。
所々に「こうすべき」というメッセージを込めることも必要です。
カウンセリングの技法、メカニズムについても知っておくと尚よい
「カウンセリング」を優先したいとの一方で、いわゆる心理学的な技法であったり、先人の学者さんたちが培ってきてくれたメカニズムだったりについても知っておくと尚よいです。
例えば「バイスティックの七原則」「ロジャースのクライエント中心療法」「アドラー心理学」など、それぞれを学ぼうとすると、なかなかに堅苦しい点も多くてつい腰が引けてしまいがちですが、本書では、そうした点も簡潔にまとめてくれているのが助かります。
ただ、それは上司が自分の意識として醸成すべきことで、相手(部下さん)に理論を強いることではありません。
最後にひとこと
ちょうどこの本を読んでいるときに、部下さんとのコミュニケーションの様々で壁にぶつかっていたところだったのですが、早速本書で得たことを参考にしました。
詳しくは別記事で書いているので合わせてお読みください。
なお、著者さんも言及されていますが「上司部下」の関係だけでなく他のコミュニケーション、例えば親子だったり、プライベートでの先輩後輩だったり、そうした際にも活用できる内容がたくさん。
ぜひおススメの一冊です。