なんとなく体調がすぐれない。とはいえ病院に行ったり薬を飲んだりするほどでもない。
日々の生活をしていると、そんなことがよくあるものです。
手軽にできるセルフケアがあったらいいなぁ…と探していたところ、アロマエキスパート・小野江里子さんの書『薬に頼らないアロマ的セルフケアレシピ』に出会いました。
この本には、植物の力を借りて不調を乗り切る法が、たくさん書かれてある。
アロマを活用してのポイントや、実際に私がおこなってみた「セルフケア」についてご紹介します。
まずはアロマの基礎知識を知る
「芳香療法」を意味するアロマセラピー。使用する精油(エッセンシャルオイル)は、植物から芳香成分を抽出したもの。
セルフケアをおこなう前に、まずは基礎知識についてを知り、正しく使用することが大切です。
第1章ではアロマの基礎知識、楽しみ方、精油のブレンド法、注意事項について詳しく解説してあるので、まずはここをしっかり読み込んでおく。
とくに奥深いと感じたことについて、本書から引用します。
五感の中の嗅覚を使い、嗅覚と直結している脳へ香りで刺激を与えます。香りを使うことで、脳がコントロールしている感情・記憶・行動・内臓の動きなどを上手に調節することができるのが、アロマセラピーの最大の魅力です。
植物のもたらしてくれる香りが、脳から指令される人間のあらゆる営みに効果を発揮してくれる。まさに自然の恵みです。
また、精油を皮膚に使用するためには原液ではなく、植物オイル(キャリアオイル)に希釈する、というのも知っておくべき点。
楽しみ方は、空間に香りを漂わせる・トリートメント・吸入・手足浴…など様々にあって、どれも手軽におこなえそうなのも嬉しい。
アロマセラピーは医療行為ではなく、精油の効能で健康を保つために役立てることができるもの。活用の前にこの点もふまえておきます。
具体的な症状別のセルフケア法
次に、具体的なセルフケア法について。
第2章では、美容・メンタルケア・呼吸器系、免疫系・消化器、泌尿器・循環器(血圧や血管など)・筋肉、関節・アレルギー・皮膚・体力回復など心身のあらゆる症状によって、どの精油をどうやって使うとよいかを詳細に教えてもらえます。
紹介されている主な精油だけでも60種類近くあって、手元に全て揃えておくことは難しいので、自分がとくに気になっている箇所に重点を置いて、まずはいくつか試してみるとよい。
不調になるところは、季節や年齢によっても異なるもの。その都度、必要箇所への適切なケア法をチェックすることができるのも本書の特長です。
実際に私がおこなってみたセルフケア
ひと通り読んでみて、気になった精油。
以前から使っていたものもありますが、ティトゥリー(ティートリー)、グレープフルーツ、ラベンダーの3つです。
ちなみに、精油は生活用品のお店やAmazon、楽天市場などでも購入ができますが、無印良品のエッセンシャルオイルが大きさも選べて求めやすい価格で便利。
この3つを使って、どんなセルフケアをやってみたかをお伝えします。
ティトゥリー(ティートリー)
抗菌作用にすぐれ、感染症予防にも効果がある。この記事を書いているのがコロナ禍の最中なので、とにかくうがいを念入りにしています。
外出して帰ってきたときに、水を入れたコップにティトゥリー(ティートリー)を1〜2滴垂らす。とても苦味のある香りなので、一瞬鼻がツーンときますが、それだけに効き目がありそう。
うがいをした後は喉がスッキリします。
グレープフルーツ
代表的な柑橘類の一つともいえる、グレープフルーツ。精油の香りを嗅ぐとドーパミンが分泌され、明るい気持ち(幸福感)をもたらす効果がある。
実は数年前に著者の小野さんの講座を受けたことがあって、そのとき家族全員が疲れ気味で不調に陥っていたこともあり、アロマディフューザー(精油をミスト状にして室内に拡散させるもの)を勧めてもらいました。
以来、グレープフルーツの精油は我が家にとってなくてはならないもの。おかげさまで不調を長引かすことなく皆健康に過ごすことができています。
ラベンダー
アロマといえばまずラベンダーが思い浮かびますが、この精油は万能選手。痛みや炎症を抑え、新しい皮膚の再生を促す作用があります。
キャリアオイルで希釈して、入浴後の肌・髪の手入れに使ってみると、リラックス効果もあって癒される。
日焼けケアにもよいとのことで、夏場はしょっちゅうラベンダーのお世話になることとなりそうです。
心身とも健やかな毎日を過ごすために
コロナ禍に長いこと晒されてしまっているこのご時世、心身とも健やかな毎日を過ごすことがいかに大切であるかを実感しています。
病気になってしまったら医療の力が必要になりますが、病気予防のためにも、植物の力を借りることができるのはありがたい。
本書を読んで、あらためて自然の恵みは偉大だと気づかせてもらいました。