職場チームのメンバーさん。パフォーマンスの良好な人もいれば、要改善の人もいる。
とくに、後者のタイプにアドバイスをするのは、なかなか大変なもの。
そんなときに私が気をつけている3つのことについて、ご紹介します。
まずは「よいところ」に共感する
これはよくいわれることですが、いきなり注意指摘すると、なかなか聞き手側の心の準備が追いつかない。
誰でも「よいところ」「要改善なところ」がそれぞれあり、個性や業務への適性によっても、その比率が変化するのだと思っています。
まずは「ここがよいところですよね」と共感することから話を始める。
話す側としても、いったん穏やかな雰囲気を作ってから、厳しい話をし始めることで、落ち着いて伝えることができるものです。
「要改善」伝え方の工夫
伝聞ではなく「事実ベース」で伝える
さて、本題に入るとき。
つい陥りがちなのが、
「○△さんから聞いたんだけどね、こういうところが拙いと思うのよ」
…などと「伝聞」で物事を言おうとしてしまうこと。
あくまでも自分が直接見聞きした「事実ベース」でのみ、伝える。
「伝聞ベース」だと、相手の立場からしたら「聞いた話で何事も判断する上司」と不信に思ってしまうだけ。
注意をする側とされる側、まずは信頼感あってこそが出発点。
「あのとき私は、こう感じたからアドバイスするね」と切り出すと、スムーズに話を運べます。
事実をキャッチできていないときは「例え話ベース」で伝える
一方、自分がキャッチアップする機会がなく、周囲のメンバーから訴え出られたことを伝えるとしたら「例え話ベース」にしてみる。
「私が以前担当していたチームで、こんな問題が発生しちゃってー」とか
「隣のチームのリーダーが、メンバーのこういうところに悩んでてさー」などと持ちかけてみて、
「あなたならどう思う?」と意見を訊ねてみる。
もし何か思い当たることがあれば、気づいてもらえるかもしれません。
この方法を実際の指導係のリーダーに振ってみると
「それじゃあ、あの人には伝わらないのです。もっと、直接的な言い方をしないと、自分ゴトと捉えてもらえない」と言います。
たしかにそれはあるでしょう。
でも、私はこの方法で上手くゆくこともあったよ。
人と人とのコミュニケーション。「コレが絶対」というものは無いから、色々と工夫してみよう。
逆に、ストレートに言いすぎると返って伝わらない。
「改善するといいのだけれど」と思う相手であるほど、斜めに受け取められてしまいがちだから。
本人の言い分にも耳を傾けて、最後に「親和」を伝える
そんなふうに対話してみても、スッキリできず、なんとなく気まずくなっちゃったりもする。
指導する側が一方的に喋るだけでなく、本人の言い分にも耳を傾けて。
お互いに言いたいことを交換しつつ、先輩または上司として必要なメッセージを送り出す。
…なかなかに疲れます。
だから、締めくくりは「親和」を伝える。
業務の質をよりよくしたい。
そのためにも、1人1人に成長してもらいたいから。
その場ではしっくりこなかったとしても、後から思い出して、改善へとつながるのならば良いのです。
今日の一言
指導したり、されたり…難しいことも多々あるけれど、人と人だからこそ。
何もしなければ変わらない。
「対話を重ねる」ことで、変化ができることもあります。