ITが発展しているとはいえ、職場ではいまだに、コミュニケーションの手段として「電話」も多く使われています。
メールだと、ある程度内容を吟味してから伝達ができますが、電話だと「傾聴力」をフル回転させて、メモをとりながらも正しく解釈して受け答えする必要がある。
瞬時にいくつものスキルを発揮しなければならず、よく考えてみると、なかなか難しい通信手段です。
どんな点に気をつけるとよいか?いまさらですが、まとめてみました。
傾聴に徹する
「音」というのは一瞬なので、相手のニュアンスや、自分の知識・・という「フィルター」によって、間違った解釈をしてしまいそうなことも多々。
まずは、できる限りニュートラルに、傾聴に徹する。
そして、相手の話が終わってから受け応えする。先回りして予測を交えて応えようとしたり、相手が話している最中なのにさえぎったりしない。
これをやってしまうと、どんどんあらぬ方向に曲がっていっちゃったりします。
復唱する
大事な箇所であれば、「◯△ですね」などと復唱する。自分がコトバに発することで、より記憶に残り易くなる、というメリットもあり。
また、万が一誤って聴き取ってしまった際の勘違い防止にも役立ちます。
ただし、これをあまり行いすぎると、しつこくまどろっこしくなってしまうので要所のみ(例:1コールで1~2箇所)とするのがよい。
クッションコトバを活用する
これは「新入社員研修」などで、よくいわれることでもありますが、相手の顔が見えないからなおさら、コトバのトーンはきつく伝わりがちです。
推奨されるのが「クッションコトバ」
たとえば、
「分かりません」→「分かりかねます」
「すみませんが」→「おそれいりますが」
・・など。
相槌を打ったり、合意をするだけの用件であれば、さほど意識しなくてよいかもしれませんが、相手に何かをお願いをしたり、お断りをしたり、異論を唱えることも少なくない。
電話のみならず、メール文章においても同様に「クッション言葉」というのは、活用ができます。
聴き取れなかったときは、もういちど言ってもらう
相手の声が小さかったり、騒音でざわついていたりするときによく用いられるのが「お電話が少々遠いようですが」
それ以外の環境でも、聴き取れなかったときはそのままにせず、もういちど繰り返してもらうようにお願いします。
誰かに取り次ぎ、なおかつ、先方の要望を伝える必要があるとき
これは、最近わがチームで実際に話題に出たこと。
誰かに用件を取り次ぐとき。
相手は「今から30分以内なら電話に出られます」‥と折り返しの電話を希望されていて、しかも、お忙しい様子。
取り次ぐべき人がすぐに対応できればよいのですが、そうでないこともある。また、離れたところにいて、取り次ぐべき人へ、まずはメールで伝達する場合もある。
すると、この「30分」というのは、守れない可能性が高い。
であれば、最初から「30分以内は、できかねるかもしれませんので、それ以外のご都合はいかがでしょうか?」とあらかじめ訊ねてしまう。
とにかく「にわか返事」というのがもっともいけません。
かといって、「30分以内にはご連絡できないかと思います。」と言い切ってしまうのもよくない。
相手にこちらの状況を理解してもらいつつ、ご要望に応えようとする姿勢を伝えることが大切です。
感謝でしめくくる
コミュニケーションの"心"とは、相手に敬意を表し、感謝を忘れない。という点であるのは、どの方法においてもいっしょ。
電話でも「お電話ありがとうございました。」と感謝でしめくくると、その気持ちを忘れずに済みます。
ちなみに、どの会社でもよく用いられているようですが、我が勤務先では「お電話ありがとうございます。△◇(←会社名)でございます」と、まずは名乗りをしています。
今日の一言
電話。
プライベートではほとんど利用しなくなってきている昨今ではありますが、ビジネスではまだまだ必要ツール。
とはいえ、以前に比べてその件数は減少傾向にあるのも確かです。だから、そのコツを忘れてしまいがち。
あらためてまとめてみると、一筋縄でいかないものだと実感。
ま、それも人と人どおしのコミュニケーションのひとつなので、他のツール(書く、面と向かって話す・・etc.)に応用できる点もありそうです。