職場のとあるチームが、業務上のトラブル対応に追われています。
メンバーは毎日帰るのが遅い。みんな疲れ果てている。
なんとかしなければ。
そういうときに、私がおこなっている4つのことと、やってはいけないと思っていることを、ご紹介します。
まずは、何が起きているのか?を聴き取り、共感する
しばしば、「そんなに忙しいハズはないんだから。やり方が悪い」と叱りつけるタイプの人を見受けます。
しかし、このスタンスは、もっともNG。たんに追い詰めてしまうだけです。
本人たちだって、好きで残業しているワケじゃないのだから。
やり方に要改善はありそうだけれど、とにかく、今、何が起きているのか?を教えてもらいます。
すると。
- 急なシステムトラブルが発生し、ただでさえ繁忙期なのに、さらに追い討ちがかかっている
- 一部、自動化したものの、うまく機能していなくて、結局手作業が増えてしまっている
- 新人さんがなかなか育っていない。日中は教育とケアに時間が取られて、肝心の業務を夕方から着手することになってしまう。
・・といった状況のようだ。
「それは大変だったねー」聴き終わってまずは、共感する。そして「どうすればよいか?考えよう」と声をかけます。
事象を分別して、判断をする。取り組みの期限を設ける
次は、その事象を分別する。
自分たちではどうにもならないこと。自分たちでなんとかできること。
今回の場合、1.と2.はどうにもならないこと。とくにこの2点は外注をしているため、技術者さんに早期改善を目指して頑張ってもらうしかありません。
一方、3.は自分たちでなんとかできる。
新人さん教育に長けた、別チームのスペシャリストに協力をお願いし、まずは、新人さんの様子を一定期間モニタリングしてもらいます。
しかし、残念ながらこの業務への適性が厳しい・・という判断に。
仕方なく、新人さんには別の業務を割り当てることとして、また別のスペシャリストに、助っ人として加わってもらうことにしました。
幸い彼女は、いっとき業務が閑散期に入っていたので、身体が空いていてラッキーでした。
ただし、2ヶ月間限定。
リーダーに確認したら、2ヶ月あればなんとか乗り切れるとのこと。
期限があることによって、改善目標も、より明確化ができそうです。
ここで、だらだらと助っ人をお願いするだけでは、コスト増ばかりで、うまく改善できないものです。
策を打ったら、助言もしてみる
さて、策を打ったら。ここで初めて「このやり方は変えたほうがよいのでは?」と助言をしてみます。
最初から、そうやって押さえつけてしまったら、相手だって聴く耳がもてないというもの。
これまでの流れから、変えられないこともあるのだろうけれど、現状に安住せず変えたほうがいいかも?と本人たちが思ってくれればよい。
あとはひたすら実行を見守り、必要に応じて、再考をする
あとはひたすら実行してもらう。
そして、それをしっかり見守る。必要であれば再考をして、次のプランを施す。
幸い、新たなメンバー(助っ人)が加わったことで、気も引き締まったようだ。
おこないながら、繕いながら、みんなでがんばろう。
まとめ
あらためて、まとめを書きます。
トラブルのときに私がおこなっていること
- まずは何が起きているか?を聴き取り、共感する
- 事象を分別して判断する。取り組みの期限を設ける
- 策を打ったら、助言をしてみる
- あとはひたすら実行を見守り、必要であれば再考をする
やってはいけないこと
- 「そんなはずはない。やり方が悪いだけだ」と、話も聴かず冒頭から押さえつけようとすること
- 期限を設けずに取り組みを行おうとすること
今日の一言
仕事は人が行うもの。だから、トラブルを解決するにも「人の力」を活用してゆくのがいちばん。
助っ人が来てくれてから、業務が急激に軽減できたワケではないですが、チームメンバーいわく「彼女が来てくれただけで、心の支えになっています」
これを聞いて「きっと荒波を乗り越えてゆける!」と確信しました。
トラブル対策の具体的な方法は、会社や組織によって、また、その緊急度によっても、さまざま異なるのでしょうが、とにかく人の気持ちや力を借りて行うとよい。ありきたりかもしれませんが、そんなふうに思っています。