働きながら子どもを育てる 子育てもゴールに近づいてきたかと思いきや、あらたな試練が待ち受けていた大学生時代 子も親も、そうして成長をしてゆくのかもしれない

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働きながら子どもを育てる。
無事、大学受験と高校卒業を終えて、あとは大学の入学式を待つばかり・・となった我が息子。
もうそろそろ子育てのゴールも近いかなー?などと思ったものです。

卒業式後は、初のアルバイトに精を出している。

そんな折。

2011年3月11日に、東日本大震災が発生。

そして、その後の大学生活も、新たな試練が待ち受けていました。

なんとなく、大学生になった

震災後はさまざまなイベントが中止となり、4月初旬に予定されていた大学の入学式も見送りに。また、授業開始も5月連休明けに延期されました。

本人も親も「なんとなく、大学生になった」・・といったスタートになってしまった。

しかし、5月に大学に行き始めて以降は、サークル活動を3つくらいかけもちして、授業もめいっぱいあって、充実のキャンパスライフを送っている様子。ひと安心です。

これまで、ずっと「制服暮らし」でしたので、私服をアレコレそろえるのも楽しそうです。
アルバイトも続けていたので、自分で服を買いに行ったりしていました。

夏休みが終わると調子を崩す?

そうして夏休みを迎えて、サークルの合宿に行って。
帰ってきたころから、どこにも出かけずに部屋にこもっている日が増えました。

以前も「夏休み明けに調子を崩す」ということがしばしばあったので、またソレかしら?と、さほど気にも留めずにいましたが、9月が終わる頃、もう後期授業が始まっているであろう時期になっても、大学に行っていそうな気配がない。

昼間は私が家に居ないので、どうやって過ごしているかも分からず・・ではありましたが、
10月に入ってもその様子でしたので、声をかけてみたところ。

「行きたくない。もう、何回か欠席してしまっているので、後期は単位が取れない」
と言います。
「なぜ、行きたくないの?」と、ワケを聞いても「なんとなく」・・とのみ。

きっと悩み事でもあったのだろうけれど、話してはくれません。
ただ、アルバイトには行っていましたので、もうちょっと様子を見ることにしました。

スクールカウンセラーや教授に相談する

とはいえ、不安は募ってゆく。

そんなときに限って、仕事でもミスをしてしまい、クライアントさんが激怒。
「もう二度とうちの会社には来ないでくれ」と、仕事人生初の「出禁」に遭遇(泣)

当時の上司に色々カバーしてもらい、とりあえずは事態を収めることができたものの、そのときに投げつけられた言葉がリフレインして、自分のメンタルも不安定になってしまいました。

息子の様子は相変わらず。

ちょうど、大学の総会(年一回、親たちが集まる行事)に行く用事があったため、スクールカウンセラーさんと、学部の教授に相談をしてみました。

カウンセラーさんは「この世代は、入学式をしていなくて『なんとなく大学生活が始まった』‥ということもあり、うまく気持ちの切り替えが出来ていないのかもしれませんね。できれば、ご本人がコチラにきてくれるといいのですが。」

教授は「第一志望校じゃない大学に入ってしまって、そういう気持ちになるケースがあるようですが、息子さんはウチが第一希望だったのですよね。
よかったら話を聞きたいので、ご本人に私のところにメール送ってくれるように、お伝えいただけませんか。」

そう。大学生だから。
中高生とは違って、まずは「自分からアクションする」ということが求められているんだよなー。

帰宅して状況を息子に伝えるも「カウンセラーさんにも、教授にも、別に用がない」と、けんもほろろ。

そうこうしているうちに、2011年も暮れようとしていて、大学には「休学届」を出すことに。
息子の大学は、半年毎の休学制度が設けられており、手続きをすれば、授業料は返ってきます。
また、その後特に何もしなければ、自動的に半年後には復学ができる。

この「半年区切り」の制度は、助かりました。

人生、長いから、いろいろあるから。
少しくらい休んだってかまわない。夫と私とで、そんな話を息子にしました。

ママ友に相談する

その頃に、中高一緒だったママ友と久しぶりに会うことになり、相談をしてみました。

すると。

「うちもねー。お兄ちゃんが似たような状況なのよ。バイトには行くんだけどね。大学には行かないの。もうそうして何年か経っちゃって。でもとにかく見守るしかないって、腹くくったわー。」と教えてくれます。

そうなんだ。そういうことって、あるんだ。

そのママ友が「つらかったときにね。この本を読んだら心が軽くなったよ」と、ある本を薦めてくれて
さっそく買って帰りました。

その本とは、臨床心理士/トマス・ゴードン博士が著された『親業』
そこに書かれてあったこと。

  • 受容のメッセージは、干渉しないことによっても示せる
  • 親の能動的な聞き方が子供の考える力をのばす
  • 親も全能ではない。自分の素直な感情に嘘をつくな
  • 対立を解決するときに、勝ち負けを持ち込まない

…etc.

仕事で忙しくって、そんなことお恥ずかしながら、考えてみたこともありませんでした。
だから。自分が都合の良いように、子どもを「支配」しようとしてしまっていたのかもしれない。

でも、息子はそれに文句を言わずについてきてくれた。大学生になるまで育ってくれた。

今更だけれど。ここは「親よ、止まれ」という時期が訪れたのかもしれません。

寄り添う、見守る

とにかく、寄り添って見守ろう。
「なんで大学に行かないの???」とかって、言うの止めよう。

そうこうしているうちに、もうすぐ2年生となる4月を迎えようとしていたころ。
「やっぱ、大学くらい卒業しねーとなー。オレ、また大学行くわ」とポツっと息子が言い出します。

なにか本人のなかで思うところがあったのでしょうか?
でも、その言葉を聞いてとても嬉しくなった。

息子にとっては「いったん休み」が必要だったのだろう。小中高と、とにかく、突っ走りまくりだったし。
留守番して勉強して部活して、受験もして。
頑張っていたからな。

息子よ、ありがとう。
・・そんなふうにとらえて、また大学に行きだす息子を見送ったものでした。

さいごに

順調に再スタートを切ったかに見えた息子のキャンパスライフ。しかし、その後も試練が続々と訪れたのです。

三歩進んでは二歩退がり。また進んでは退がり。
時には十歩以上退がっちゃって、マイナスになったときも。

試練というのは、いつでも待ち受けているものなのだなー。
これからも、社会人になって、結婚して、子どもができて・・・人生って、イベントだらけ。

楽しいこと、嬉しいことばかりじゃない、つらいこと、苦しいことも。

でも。

子どもの成長とともに、親も成長しているんだろうな。

おかげさまで、2019年、この4月から、ようやく社会人となる日を迎えつつある息子。
これからも見守ってともに成長してゆけば、いいのだ。

「働きながら子どもを育てる」

子どもの年代にそって何編かに渡って記事を綴ってきました。
これでいったん「完」となりますが、
まだまだネタは尽きなさそうです(笑)

お読みくださり、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

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いくみ@女性管理職&ブロガー(ねーさん)

ビジネス書著者、講師(女性管理職の専門家)、ブロガー、ワーキングマザー30年。

40歳で正社員復活し、現在は元上場企業で20年管理職。「人生100年、仕事やライフワークや色んなことにチャレンジしつつ、めいっぱい楽しもう!」というビジョンのもとブログを始めとして、SNS、メルマガで情報発信中。山手線 全駅の記事も人気。2023年4月初出版『女性管理職が悩んだ時に読む本』好評発売中。

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