「話す」「書く」のご専門家・山口拓朗さん。
2019年1月新刊の本書では「伝える」の極意を伝授くださっています。
仕事だけでなく、それ以外の日常生活でも、人とかかわる場面で不可欠な「相手に正しく伝わる」とは、どういうことなのか?について、あらためて気づきをもらえる一冊です。
「正しく伝える力」を身につけることで、仕事力もアップできる
仕事において、報告・連絡・相談(報、連、相)は必須・・とはよくいわれることです。
「正しく伝える力」を身につけることで、効率化も図れるし周囲からの信頼が得られて、仕事力がアップする。
日々業務を行っているなかでも、この点は本当に実感します。
しかし、ともすると「伝えたつもり」になってしまっていることも多い。
自分の伝えようとしたことが、相手の腑に落ちて初めて「正しく伝わった」といえるのですよね。
そのために大切なことを、本書の各章では具体的に解説くださいます。
「自分視点」ではなく、「相手視点」
もっとも肝要なこと。それは、モノゴトを正しく伝えるためには「自分視点」ではなく「相手視点」
自分が言いたいことではなくて、相手の知りたいこと。これが「伝える」ということ。
本書にある"たとえば「池上彰さんのようなスタンス」"という例えも、とても分かりやすいです。
(池上彰さんをご存知ない方は、週末等に放映されているTV番組をチェックしてみてください)
また、伝えっぱなしではなく、その後の相手の反応も確認すべし。
たしかに、自分がなにかを伝えようしたときに、相手が「はい」と返事はするものの、表情はさえないように見受けることや、顔に"はてなマーク"が浮かんでいるようなときって、あります。
最後に、「ご理解いただけましたか?」「伝わっていますか?」と確認することも怠たらないようにしないと。反省です。
「伝える」スキルを身につける
「伝える力」を発揮するためには、そのスキルを身につければ、誰でも実行することができる。
第2章以降では、そのポイントを挙げてくれます。
例えば、
- 思いつきでなく箇条書きで話す
- 5W3Hがやっぱり大事
- まずは結論から。その後詳細を説明
- 数字や固有名詞を活用して「曖昧さ」を排除する
- 事実と意見を切り分ける
・・・etc.
また、ヌケモレやミスを防ぐためには
- 一文一義(ひとつの文章にひとつのメッセージ)
- 文章の見直しにこそ最大の時間を割く(情熱で書いて、冷静で直す)
- 件名を一目見てピンときてもらい、最後であらためて締める
・・・といった工夫が有効。
その他にも、プレゼンのスライド作成時の注意点や、話法(声、アイコンタクト、間の取り方・・)などについても、教えてもらえます。
スキルを身につけたら
スキルをひととおり身につけることができたら。それにプラスして、ネタ(情報)をより多く備えておくこと。
引き出しがたくさんあれば、とっさのときにも、いろいろとアウトプットを取り出すことができるもの。そのためにも、日頃からアンテナを張って情報収集しておくことで、さらに自信が持てるようになれそうです。
また「伝える」にあたって、事前に予想される質問を想定しておくことや、相手からフィードバックをもらうことも、ぜひ欠かさずに取り組みたいものです。
誰もがあまりやっていない「ゴール設定」
最後のポイントとして紹介されているのが、この点。
「伝える前に、相手にしてもらいたい理想的な反応を決めておく」ということ。
実際に、拓朗さんがココを意識して取り組まれるようになってから、その反応どおりの現実が引き寄せられたり、たくさんの仕事で結果が出せるようになられたそうです。
実はこれ、私もあまりできていませんでした・・・。
「伝える」ことで、相手がどうとらえて行動をおこしてくれるのか?
「伝える」ということは?
コミュニケーションとは相手あってのもの。
だからこそ、相手をリスペクトして、きちんと手順をふまえて、一生懸命に取り組むことが大切なのだと。
あらためて気づかせてもらいました。
話すことも書くことも、そのポイントはいっしょなのですよね。
本書で教えてもらったことを活かして、仕事力だけでなく、人間力もさらにパワーアップしてゆきたいな。
最後にひとこと
「ミスコミュニケーション」というのはしばしば発生しがち。それがのちのちトラブルの元になってしまう。
この本をぜひ周りの職場メンバーにもすすめてみよう。
そして、この4月に新社会人となる息子にもプレゼントすることにしましたw