通勤で30年お世話になっている山手線。好き勝手にそれぞれの駅を漫遊しています。
今回は田町(たまち)駅。
さほどご縁のなかった当駅なのですが、ライフワークのひとつにしている「勝海舟」にまつわる記事で、ここのところ何かとかかわりが出てきて不思議なものです。
田町駅
所在地: 東京都港区芝五丁目33-36
田町という駅名は、三田口(西口)周辺一帯に広がっていたかつての町名からとられたものである。『文政町方書上』によると、江戸時代に田畑が町屋へと移り変わったため、田町と呼ばれるようになったという。明治初期は頭に芝を付けて「芝田町」と呼ばれていた(その後、1911年5月に「芝」の冠称が省かれる)。海岸に面した細長い範囲の町で、この海岸線に沿った海上防波堤の上に鉄道が敷設された。
駅名に採用された田町は、港区の発足した1947年に再び芝田町に町名変更となった。その後、住居表示実施に伴う町名・町域の変更により、1964年7月に一部が芝五丁目に、1967年4月に残りの全域が三田三丁目になり、地名としての田町は消滅した。
ーWikipediaより
昔の町名の名残、しかも、「田畑が町屋へ…」って単に頭文字を合わせただけのベタな命名。
その後「芝」がついたりとれたり。そして、現在はそんな地名がない。
だのに駅名として継承されている…なんとも味わい深いものです。
田町の町並み
駅前に国道15号線(第一京浜)がどどーんと走っている。周辺には森永製菓、三菱自動車工業、日本電気などの大企業本社が林立。
また、ハンガリー、ボツワナ、イタリア、クウエートなどの大使館も所在。
加えて、慶應義塾大学などのキャンパスもあり、なんだか「産学(+公)連携」みたい。
そうした賑わいも相まってか、西口(三田口)の歩道橋下にはたくさんのレストランや居酒屋さんが軒を並べています。
一方、海側(芝浦口)はこれまではさほど大きなビルがありませんでしたが、東京オリンピックを見据えての再開発が進んでおり、本年5月には「ムスブ田町」という新たな複合ビルが部分開業。
2020年の全完成を見据えて、オフィスタワーや商業施設、フランスのホテルチェーン「アコーホテルズ」の日本初出店など、これからさらに発展してゆくのが楽しみです。
江戸の歴史名所
一方、この町には「江戸の歴史名所」があったりするのもオモシロイ。
西郷隆盛と勝海舟による、幕末の江戸無血開城会談が行われたのも当地。田町駅改札口を出たところに、こんな壁画が飾られています。
実際の会見地となったのは、現在三菱自動車工業の本社があるビルの一角。記念碑があります。
また、第一京浜沿いにある、「札の辻交差点」は江戸時代の高札場の跡。
「高札」はこのような通行人の多い町の入り口に立てられることがよくあり、新しい法令や決まり事を民衆に周知する役割を持っていたとのこと。
時代劇でよく出てくる「告」みたいな看板なのかな?
往時に人々がここの看板を眺めていたのだと思うと、なんとも感慨深いものがあります。
田町駅と三田駅
”はみ出しネタ”とはなりますが、JR田町駅と隣接しているのが都営地下鉄の三田駅。
よろしければコチラもご覧ください。
最後にひとこと
何気なく通り過ぎているだけだった田町駅でしたが、たまたまいろいろなご縁が重なって訪れる機会が増え、その歴史や由来を調べてゆくと「今と昔」を併せ持つ、趣のある地なのだとあらためて知りました。
2020年の東京オリンピックに向けて、さらに「今昔」のコントラスト象徴の地ともなりそうで楽しみです。
山手線一周、どの駅が何区にあるか?については、コチラをどうぞ。