こんにちは。女性管理職20年の いくみ(@nesan_blogger)です。
とある時、一通のメールが届きました。
「このたび、退職することとなりました…」
差出人は、私が管理職になったばかりの頃に新卒で入社してきた部下さん。数年前に私が部署異動してからは直接会う機会もなくなっていましたが、彼女の名前を見た瞬間、様々な感情が押し寄せてきました。
長年支援してきた部下さんの退職に際して感じたことと、管理職として人を育てる喜びや別れの心情について。
同じような思いをしている人の参考になればと、この記事を書きます。
部下さんとの「別れ」にどう向き合う?多くの上司が抱える複雑な心境
管理職として長く務めていると、必ず経験することのひとつが「大切に育てた部下さんとの別れ」です。
特に自分が見込んで支援してきた部下さんが退職するとき、嬉しさと寂しさが入り混じる複雑な感情を抱えることになります。
「新人さんの時から支援に尽くしてきたのに…」
「もっと一緒に働きたかった…」
「でも成長して羽ばたくのは嬉しい…」
こうした心の葛藤を、多くの管理職が経験しているのではないでしょうか?私自身も幾度となく経験してきました。
そこで、大切な部下さんを送り出す際の心の持ち方や、学べることとは?をあらためて考えてみます。
ポイントは以下のような点です。
- 育てた部下さんの旅立ちを「成功」として捉える考え方
- 別れを通して感じる管理職としての成長と達成感
- 退職後も続く人と人との絆の価値を再認識する視点
さらに解説します。
なぜ、部下さんの旅立ちは「成功」と言えるのか?
今回、退職挨拶メールが届いた部下さん、仮にMさんと呼びます。
彼女は、新卒入社同期10名ほどの中でも一際輝く原石のような存在でした。最初に会った時は実はあまり愛想がなく、コミュニケーションが難しそうだなと感じましたが、何かを持っている予感がして特に注目していました。
案の定、Mさんはその後リーダー的存在となり、メキメキと頭角を表していったのです。そして、チームをまとめるだけでなく、会社への提案や改善点も積極的に伝えてくれる存在に。
私の仕事は彼女の成長を全力でサポートしていくこと、と心に決め、そして彼女もその期待に十二分に応えてくれて、入社7年目には管理職昇格を果たされました。
時には彼女のリーダーシップに対して他のメンバーから疑問を投げかけられることもありましたが、それでも周囲の声に惑わされず、乗り越えてさらに成長を遂げてくれた…ある意味、最も想いを込めて接してきた部下さんとも言えます。
Mさん退職の知らせをもらって、あらためて彼女を見守ってこられたことは、管理職としての自分の成功体験でもあると気付きました。
ご本人の成長を見守り、支援してきたことは、管理職としての私の大切な財産になっているのだと。
部下さんの退職に向き合う 5つのステップ
とはいえ、やはり別れは辛いものです。その感情に蓋をせず、向き合うためのステップを考えてみました。5つあります。
感情を素直に認める
「一言、とても寂しい」――これが正直な気持ちです。長年一緒に仕事をしてきた部下さんとの別れは、娘を嫁に出すような心境にも似ています。この感情を無理に押し殺さず、素直に認めることを大切にします。
部下さんの強みを再確認する
Mさんの一番の強みは「感情に流されず冷静に物事に対峙してこなしていく力」でした。
チームを率いる際に否定的な声や陰口に悩んでいた時も、私が捌け口になることで、彼女は前に進むことができました。彼女の強みを再確認することで、新天地でも輝けると確信できます。
新たな挑戦を心から応援する
彼女は20年近く会社に貢献してくれました。もうね、十分すぎる貢献です。今後は同業他社に転職されるようですがさらなる挑戦をしようとしている彼女を、心から応援したいです。
見守る姿勢を大切にする
「人を育てて、成長してくれて、その後もずっと一緒に仕事をしていかれれば嬉しい」──これが理想ですが、一人一人それぞれの道があります。
特に多くの貢献をしてくれた部下さんには、遠くからそっと見守る姿勢が大切なのだと改めて感じています。
ご縁に感謝する
退職していって以降、なかなか元部下さんと会うチャンスはありませんが、それでも、どこかで人と人との絆を再認識することもきっとあるに違いない。
ご縁に感謝です。
人を育てる喜びと、それを送り出す覚悟
これまで多くの部下さんと出会い、彼らの成長を見守ってきました。前段落にも書きましたが、その中でもMさんは私が最も支援をしてきた一人でした。
部下さんが巣立っていくのを見るのは寂しいものですが、同時に誇らしくもあります。彼女が新しい環境で、また一段と成長していくことを願ってやみません。
管理職として人を育て、送り出す──それは時に寂しさを伴いますが、確かな喜びと達成感をもたらしてくれるものでもある。
みなさんも、部下さんとの別れに直面した時は、ぜひこの記事を思い出してみてください。
最後にひとこと
Mさんへ。
これまでの貢献、本当にありがとう。新しい場所でも、あなたらしく輝いていてください。遠くから、いつも応援しています。