父が他界しました。
93歳でしたので、ある意味”天寿を全うした”という最期でしたが、残念ながら相続については明確な遺言が存在せず。
何故ならば、亡くなる数ヶ月前に転倒して寝たきりになって、その後急速に認知症状態になっって息を引き取ったからです。
相続、どう対処すればいいのだろう?私と同じような状況にある人へ参考になればと、この記事を書きます。
生前に「家と土地を処分する計画」は未実行
それぞれのご家庭で、個々に資産状況があることでしょう。
我が父の場合は、一戸建ての持ち家と土地がメインで、その他の資産はほぼ無し。
以前に友人がお父様を突然亡くされた際に、銀行口座が凍結されて大変だった…という話を聞いたことがあったのですが、父は口座にほとんど預貯金がない状況。
遺族からしたら、かなり”あっけらかん”としていたのです。生命保険にも加入していませんでした。
実を言うと生前に父から「そろそろこの家と土地を処分して、お母さんと2人して老人ホームに入ることにします。娘達には迷惑かけないから」と聞いていたのですが、実際にはその計画を実行することなく。
母と家と土地が残された状況となりました。
不動産会社に委ねることを選択
おそらく、父としては無念だったことでしょう。
仕方ありません。残された者たちがなんとかするしかない。とはいえ、母も92歳。やはり高齢で、何らかの事務処理を行うことが難しい状況です。
そこで、実家近くにある不動産会社に事情を伝えて、まるっと全てお世話になることに。
相続に関しては、不動産会社と提携している司法書士さんが対応してくれて、手続き料は30万円ほどかかりましたが、自力でやるのは無理ですから、全然オッケーです。
ちなみに、姉は海外に居住していて、現地の領事館への書類提出が必要のようなのですが、その辺りも全て、司法書士さんが段取りしてくれました。
加えて、不動産会社側で、そもそも父が計画していた「老人ホームに移住」(父が逝去しましたから、実際は、母だけですが)を実行すべく、この土地を売却する段取りも賄ってくれました。
改めて整理しますと
・実家の土地、建物を父から母へ相続(娘である姉と私は相続放棄)
・その後、母の所有となったこれらの財産を他者へ売却
・母は、その売却益をもとに、老人ホームへの移住を実施
という段取りです。
存外に早く土地の買主が決定
とはいえ。
実家は最寄駅から徒歩でかなりの距離があり(約15分)、しかも、近くに商店も無くなかなかに利便性がよろしくない。
買い手がつくのには時間がかかるだろうな、と思っていましたが、存外早くに買主さんが現れてくれました。
父が亡くなってから2ヶ月も経たないくらいの時期です。
当初、希望していた売却額よりは下回っていたものの、そんなことどうでも構いません。繰り返しになりますが、高齢の母には事務処理能力がほぼありませんでしたので、娘である姉と私が全て決めました。
売却後の対応
売却に関して、売主と買主との間で契約書を取り交わし、その後、不動産会社の手配にて測量を実施。これには2ヶ月ほど要するようです。
建物の処分自体は買主が実施するとのこと、売主は家の中身(家具や物品)を処分するのみで良いようですが、なんしろこの家に50年以上居住していましたから、中身の量も半端ありません。
昨今「終活」という言葉をよく耳にしますが、父はそれを取り組む間もなく、本人の想定外にこの世を去ってしまいましたし、母も何も整理整頓しておらず。
さりとて、娘の私たちが整理整頓する筋のものでもありませんから、母が「これだけは残したい」というものを除いては、すべて処分してもらうこととなります。
この処分についても、不動産会社さんが業者さんの手配をしてくれて、おそらくかなりの費用が発生すると思われますが、それも仕方ありません。
あとは、母が入居するホームへの入居と撤退期限との兼ね合いとなりますが、母のように特段病気なども抱えていない場合の住処は「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」という分類になるようで、なかなかに混み合っているとのこと。
ま、それだけ、元気な独居老人が多いというのは悪いことではないものの、この辺りのタイミングも悩ましいところです。
最後にひとこと
この出来事を通じて、あらためて気付いたこと。
それは、終活や断捨離って大切で「そのうちやろう」と思っていても、我が父のように突然逝去してしまうこともあるから、残された家族って、ホント大変。
少なくとも私の息子には、このストレスを感じなくて済むように、親が早めに動かなくては。と心しています。