今では当たり前に街の其処此処にある「ドラッグストア」
病院にかかるほどではないけれど、体調がなんとなくすぐれない、傷などの不具合がある…といったときに利用するお店。そして、シャンプーや洗剤など日用品も安く買える場所、というイメージを持っていた程度でした。
では、ドラッグストアの本来の姿とはなんだろう?そして、さらに活用していくには?
そんな疑問に答えてくれるのが
ドラッグストア薬剤師歴15年、相談件数3万人超え実績をお持ちの 寺脇令子さんならではのメソッドが詰まった1冊『お気に入りドラッグストア活用術』
紹介します。
ドラッグストアは”健康ステーション”
本書で最も刺さったフレーズが「ドラッグストアは”健康ステーション”」
引用します。
「ドラッグストア」は直訳すると「薬の店」。
だから当然、主な商品は薬であり、役割としては訪れる人の健康に役立つための「健康ステーション」です。(中略)薬を飲みすぎるオーバードーズが社会問題となり、あらためて「薬剤師や登録販売者はきちんと相談に乗って説明するように」と国から言われるようになりました。
本来の健康ステーションとしての役割が復活してきたのです。
著者が当初勤務されていた調剤薬局(顧客は患者さんにほぼ限定される)から、ドラッグストアの薬剤師として転身されて、ご自身が「お店に来るお客さんの相談と向き合う」を目指されてきたこと。
この”健康ステーション”に想いが込められていて、感銘しました。
とはいえ、勤務開始時からこの体制が整っていたわけではなく、色々なご相談に乗っているうちに「何でも教えてくれる薬剤師がいる」「あのドラッグストアの薬剤師は頼りになる」との口コミが広がり、しっかりとその役割を果たすようになったそうです。
自分自身の周辺にはこのようなお店や薬剤師さんの存在がなく残念ですが、著者が今も活躍されている姿が目に浮かび、ぜひお店に行ってみたくなります。
ドラッグストア活用法
次に、具体的なドラッグストア活用法について。
薬の分類とリスク、欲しい薬の相談の仕方、正しい薬の飲み方…など、基本情報から始まり、症状別「薬の服用とセルフケア」や漢方薬の選び方に至るまで。
それぞれ自分が必要としている時に必要な箇所だけ読んでも十分に分かりますし、もちろん、最初から順番に読み進めていっても、後々その事象に遭遇したときに「あ、そういえばあそこに書いてあった」と思い出すことも可能。
項目ごとに細かく解説されているのも、とてもためになります。
一家に一冊!
さらに本書のポイントとなる点を、「はじめに」から引用します。
- これまでばく然と薬を買っていた方は、自分に「最適な薬」を買えるようになる。
- 薬だけ飲めばいいと思って頼っていた方は、セルフケアが重要だとわかり、薬だけに頼らなくなる。
- ドラッグストアで相談したくても、どのように話せばいいかわからなかった方は、有効的な相談の仕方がわかり、より良い情報を得られるようになる。
ドラッグストア活用のこうした指南書って、これまで全く存在していなかったように思います。
まさに”一家に一冊!”ぜひオススメします。