ビジネス数学のご専門家・深沢真太郎さんの2023年10月新刊『思いつきって、どうしたら「自分の考え」になるの?』
なぜ、数学とコミュニケーション術なのだろう?タイトルにとても惹かれました。
管理職19年やってきての自分が気づけてなかったことをあらためて教えてもらえた。ご紹介します。
部下さんとのコミュニケーションを大切にしてきたつもりだけれど…
管理職19年やってきて、部下さんとのコミュニケーションを大切にしてきたつもりでいたけれど、もしかしたら彼ら彼女らは
「言いたいことはあるのに表現できない」という悩みをかかえているのに、気付けていなかったのではないかしら?
そして、自分自身も"伝えているつもり"と都合いいように解釈して、実は伝わっていなかったこともあるのではないかしら?
おそらく「感覚値」的な発想から捉えてしまっていたから、と反省しきり。
本書を読み進めていくうちに、そんなモヤモヤがどんどん解消できます。
ストーリー仕立てが秀逸
とくに本書はストーリー仕立てになっていて、「自分の考え」を常に上司から問われて返答に窮している主人公が偶然の出会いから、数学者さんやマーケッターさんや音楽家さんと語り合いながら
"自分の意見に自信が持てるようになる”様子にどんどん読み進めたくなります。
とくに刺さった点を幾つかご紹介しますと
✔️自分の意見を言うにはテンプレートがあって、それは、「塊と矢印」でできている。
✔️相手と前提を揃えることで、意見を言う側の不安を取り除くことができる
✔️「言葉の定義」と「立場の定義」で意見を述べる環境を整える
✔️根拠とは比較てある
…etc.
まるで自分や部下さんごとのようにワクワクしてくるのです。
お互いの共有を深めるキーワードと「数学」
大事なことは「論理性」「根拠性」で、それがお互いの共有を深めるキーワードでもあるんだろうな。だから、数学。
お恥ずかしいことに「数学」と聞くだけで、常に腰が引けそうになっていましたが、あらためて、その尊さを教えてもらいました。
結末で、主人公が見事な論理展開を披露して、厳しかった上司から褒められたエピソードがもう、本当に爽やかで。
部下さんを好きである、という”感覚”と、部下さん成長ための”論理”は決して相反するものではなく、それぞれ相互に作用していく、それを支援するのが上司の務めなのですよね。
最後にひとこと
「自分の意見を表現できずに悩んでいる」部下さんにも、そして、それをしっかり汲み取れていなかったかもしれない、私のような上司にも、超絶おススメの一冊です。