本をただ読むだけでは、しばらくすると「何を書いてあったのか」思い出せなくなってしまうことが多い。
それでも本棚に並ぶ冊数を見ているだけでなんとなく”読んだつもり”になってしまう…長年そんな読書との付き合い方をしてきましたが、ある1冊の本で劇的に変化をしました。
その1冊とは、精神科医/作家 樺沢紫苑さんの『読んだら忘れない読書術』
なんで”忘れない”の?タイトルを見てとても不思議な思いを抱いたものですが、そこに書かれてある「すごい術」を読んだ時の衝撃は今でも忘れません。
この度、2023年8月に新版『読書脳』が発刊され、あらためてこの「すごい術」を知ってからの自分の変化をお伝えします。
読書法「すごい術」とは?
まず「すごい術」とは具体的に何なのか?という点について。
それは
【本を読んだらアウトプットする→読んだらその内容を誰かに話す、または、書き留める】
な〜んだ、それだけ?と思われるかもしれませんが、かつての私も、そして私の周囲にいる人たちの多くも(おそらく)読んだらそれで終わり。
もちろん、付箋をつけたり線を引いたりはしていましたが、やはり、それだけで終わり。
せっかく時間や目や頭の回路を駆使して何万文字もの「知識」を仕入れたのに、冒頭に書きましたとおり、しばらくしたらせいぜいタイトルとほんのちょっとの枠組みくらいしか思い出せず、もはや「知識」とは言えないレベルに陥ってしまっています。
なんだか悔しい。本書を読んで猛然とその思いが湧き上がってきて、それからは、とにかく「アウトプット」です。
アウトプットを繰り返していくうちに、変化を実感
私がやっているのは、スマホのメモ帳に書き留めたり、ある程度まとまったらSNSに投稿したり、ブログの記事にしたり。
とにかく本を読む度にこの方法のひたすら繰り返しです。
最初はただ単語の羅列になってしまったり、文章にしてもなんだか稚拙な内容だったり…お恥ずかしい状況でしたがやっていくうちに、ある変化を実感するようになったのです。
その変化とは。
アウトプットをするためには、本に書かれてあることを単に抜き出すだけでなく、読んだことを実際の生活や価値観に照らし合わせて「自分事」として感じたことを書く。それによって、より深く記憶に残ったり、後々脳内から取り出して、何かの悩み解決の参考にすることが出来る、という点です。
『読書脳』とは、もしかしたら、こうしたことを指すのではないだろうか?
私の勝手な解釈かもしれずすみませんが、新版を手にしてあらためて感慨深いものがありました。
お勧めの珠玉の31冊
具体的な「読んだら忘れないコツ」は本書の各章にとても詳しく書いてあるので、ぜひ一つ一つ読んで深めてアウトプットして…の繰り返しで活用されると良いです。
もう一つ、私がどうしてもお伝えしたいことがあって、終章にある「精神科医がお勧めする珠玉の31冊」についてです。
この中の3分の1くらいですが、実際に読んでのアウトプットをブログに書き貯めてきて、中には少々難しいものもありましたが、数年経っても「こんなことが書いてあって、こんなふうに役立たせてもらった」ということを言葉に出すのが可能だと自負しています。
特に『うつヌケ』(田中圭一 著、KADOKAWA)は、実は息子がメンタルを崩してしまったことがあって、「どうしたら回復できるようになるのだろう?」この本を何度も何度も読んでメモに書き留めては自問自答してきました。
「読むといいよ」みたいにさりげなくテーブルの上に置いてみたりするのですが、親から言われてその本を読むって、なかなかしませんよね。
数ヶ月経って息子の本棚を偶然見たときに、なんと!『うつヌケ』が置いてあるじゃありませんか。つまり、我が家にはこの本が2冊あるのです。
実際に息子が読んでアウトプットしたのかどうかは不明ですが、それから数年後にすっかり元気回復。
私にとっては「読んでアウトプットする」ことに加えて、忘れられない1冊となりました。
ChatGPT以降、ますます必要になる読書脳
ChatGPTの活用が盛んになってきて、一見「文章力はもう必要ないのでは?」と受け止められそうな風潮もあるかもしれませんが、違います。
もちろん、AIは作業を人間の何倍もの速度でこなしてくれることでしょう。でも、使いこなす(つまり、AIに指示を出す)ためには、ますます人間の読解力や文章力が必要となってくる。
それすなわち「読書脳」本書を読めば、何故なのだろう?その答えが明確に見出せます。
読書が好きな人にも、そうでない人にも必読の一冊、ぜひオススメです。