企業の管理職として長年やってきている私ですが、部下とのスムーズなコミュニケーション法には、常に悩みがあります。
アドバイスしようとしたり、意見を訊ねようとするときに、なんとなく自分の言葉のクセのようなものが出てしまい、正しく伝わらないこともしょっちゅう。
そんな悩みに答えてくれる1冊を見つけました。
コミュニケーションデザイナー/人財育成コンサルタント 吉田 幸弘さんの『伝え方でいつも得するリーダーなぜか損するリーダー』
本書では、上司側の悩みだけでなく、部下側の悩みにも寄り添ってくれる「伝え方」について教えてもらえる。
様々なシーンごとに、OK表現とNG表現を併記して解説されていることで、なるほど!と腹落ちできる点が満載です。
キーワードは「心理的安全性」
まず、キーワードとなるのは「心理的安全性」
どんな言い回しをしようかと悩んだときに大切なのは、相手に自分の言葉を安心して受け止めてもらう事なのですよね。
特にポイントとなるのが
自己効力感
自己重要感
自己開示
さらに具体的な考え方についても補足されていて、ありがたい。
このことを常に心がけると、「損するリーダー」を回避できるに違いありません。
OK表現とNG表現
冒頭でもお伝えしました"OKとNG"について、とくに刺さった点を3つ紹介します。
<上司→部下>
1)「なんでも話して」ではなく「実は私…」と切り出す。
傾聴が大切、とそのことばかり考えてしまい、ついこのフレーズを連発してしまいます。ところが、部下から話を切り出してくれることが意外と少ない。
「なんでも」と言われたら返って「何にも」話せなくなってしまう。それよりも、「私もね、実はこんな悩みがあって」と自己開示から始めることで、部下に安心を感じてもらえるんですよね。
2)Whyじゃなくて、Where
これも、私がよくやらかしてしまうことの一つ。「なんで?」じゃなくて「どこが原因がなの?」自分が責められているのではなく、その事象について反省して改善していこうという前向きな気持ちになれるものです。
<部下→上司>
3)「ちょっといいですか?」ではなく、「◯曜日の◯時、大丈夫ですか?」
上司の立場からすると、ちょっといいですか?と聞かれると(本当はよくないんだけどなぁ…)とつい、生返事してしまいがち。日程を具体的に示してもらえると助かります。
他に、外部スタッフや取引先とのコツもあって、どれも納得しきりです。
最後にひとこと
私のように上司部下の職場のコミュニケーションに悩んでいる人たちにはもちろん、それ以外のどんなシーンにも、お役立ちのこの1冊!ぜひお読みください。
吉田さんのコミュニケーションメソッド、こちらもオススメです。