会社員人生を30数年歩んできています。その間何度か転職をしました。
都度、悩みに直面し方向性を変えたいと思い、試行錯誤しながら新たな職にチャレンジしてきましたが、ともすると自分軸で何事も考えてしまいがち。
社会人として、誰しもが仕事をして毎日を過ごしているわけですが、それが会社仕事だけでなく、独立起業だったとしても、地域に貢献するような役割だったとしても。
何が必要なのか?何を磨けば良いのか?というのは共通する課題だと思います。
本書は「転職」というワードを用いてはいるものの、「転職の仕方」ではなく、如何に自分を磨き活用してゆけるか?について、客観的かつ網羅的に教えてくれる、ありがたい一冊です。
「スキルの百科事典」
そのメソッドを、104つの切り口から解説してくれる、いわば「スキルの百科事典」ともいえる。
主に以下のカテゴリーにそって、わかりやすく教えてもらえます。
- 戦略思考
- コミュニケーション
- 目標設定
- 分析
- 時間管理
- メンタル
- リーダーシップ/チームビルディング
「ロジカルシンキング」「フレームワーク」「ポストイット活用術」「ロードマップ」「TO DOリスト」「マインドフルネス」…などのフレーズが出てきますが、実際にそれらの言葉はよく聞いたことがあるものの「なんだっけ?」と、理解できていないことが多い。
それぞれの要旨が1ページで簡潔に解説されているのも嬉しい。
ワンポイントアドバイスも添えてくれています。
持ち歩けるスキル
一方、タイトルの一部ともなっている「ポータブルスキル」という観点もユニークです。
様々な能力を身につけたとしても、それが「いつでもどこでも応用できる」ものでなければ、意味がない。
「理屈を知り実践し、反省して調整する」
これを繰り返すことによって、より主体的に発揮できる。
転職というのは、ある意味それを具現化できるチャンスでもあるのですよね。
なので「ポータブル」「転職」というキーワードで表現されているのだと納得です。
やはり大切なのは「人間力」そして「利他の心」
各章の随所に「人が共感する」「人間だからできる」…といったメッセージも出てきますが、終章の「ライフハック」で語られていること。
いわゆる人のため、人々のために協調して働けるエモーショナルな人間こそ、これからの時代に求められる究極のポータブルスキルではないか。
ー本書第8章より引用
どんなにテクニカルな能力をもっていたとしても。仕事というのは、人と人が関わって成り立ってゆくもの。
大切なのはやはり「人間力」そして「利他の心」
いつの時代であっても、どんな場面であっても。
普遍的なことなのだと、あらためて刺さりました。
今日の一言
長年人材育成コンサルタントとして活躍してこられた著者ならではの視点。
「技も磨き心も磨く」
転職をするにしても、そうでないにしても。
ビジネスパーソンとして、どう生きてゆくのか。悩んでいるときにもきっと、手助けになってくれます。