こんにちは。女性管理職18年の いくみ(@nesan_blogger)です。
ここのところクライアントさんたちとの間でよく出てくるようになったフレーズがあります。
それは「セントリシティ」
英語で書くとcentricity、日本語訳は「中心性」
特に取り沙汰されつつつあるのが「ヒューマン・セントリシティ」つまり「ひと中心時代」
解説します。
人が大切、という考え方
例えば、医療系・製薬企業で昨今取り組まれていること。
「ペイシェント・セントリシティ(医療は患者さんを中心として行なわれるべきという考え方)」
患者さんたちと製薬企業の間で日常的にコミュニケーションが取られている欧米に比べ、患者さん中心の考え方が進んでいないのが我が国の現状。
これを「患者さん中心の医療」の実現に向けたより良い薬の創生を進めていきたい、という目標の活動です。
一方、医療とは異なる動向としても、「人的資本経営」という取り組みが注目されつつあって、
人的資本経営とは、従業員が持つ知識や能力を「資本」とみなして投資の対象とし、持続的な企業価値の向上につなげる新しい経営の在り方。
私の推測で恐縮ですが、
もしかしたら、コロナ禍で失われたこの3年間から立ち直ろうとするために
「人」が何事も中心であるべきという考え方が、あらためて尊重されようとしているのかもしれない。
特に、この記事を書いている2023年3月時点コロナ禍が一旦収束しつつあって、新たに大きな”うねり”を感じてならないのです。
「ひと中心であるべき」ないがしろからの転換
もちろん「ひと中心であるべき」という考え方はそれ以前にも必ず存在はしていたはずで、突然発生したことではないですが、どこかないがしろにされていたのかもしれません。
昨今は「VUCAの時代」と言われています。
VUCAとは以下の4つの単語の頭文字を取った造語で「先が不明確で、予測できない」の意。
Volatility:変動性、不安定さ
Uncertainty:不確実性
Complexity:複雑性
Ambiguity:曖昧性
これまでの価値観が突然大きく翻ることをコロナ禍によって経験してきたから、物とは違って人ってある意味揺るぎない存在なのだと、あらためて気付いたとも言えます。
ひと中心=幸福度
一方、各企業で定期的に実施されることの多い「従業員満足度調査」
いわゆるエンゲージメントと称されるものです。
最近受講したある研修で教えてもらったのが、今後は「満足度」ではなく「幸福度」をいかに個々の従業員が実感できるかどうかが肝要である。という点。
確かに、満足度、というと「上司が部下さんに対して現在の心境を訊ねる指標」といったニュアンスが感じられますが、幸福度、となると個々の従業員、上司だろうが部下だろうが関係なしに、自身が主体的に「いいね!」って思えること。
単純に「ひと中心」と言葉にするのは簡単ですが、そうではなく、幸福と感じられて自分の精一杯を発揮できること。
仕事って人生の大半ですから。
幸せでなかったら、パフォーマンスもやりがいも続かないです。
最後にひとこと
私自身は昭和〜平成〜令和と駆け抜けてきていますから、ある時は「モーレツ社員」(古くてすみません、笑)が是とされる世情の中にもいました。
でもね。
それを現在に当てはめる必要もなくって、みんなが幸せであるならばそれこそが是。
ヒューマン・セントリシティって、いいなぁ。掛け値なしにシンプルにそう思えるのです。