仕事をしていくうえで、時として強い味方になってくれるのが資格。
その分野・領域や、取得のための要件は実に様々ですが、資格を活かしてキャリアアップを目指していく道も多々拓けていくことでしょう。
しかし。
かなり難関もあって「資格浪人」という言葉もしばしば耳にするもの。
資格取得を目指しているあなたへ。是非ご紹介したい一冊が、司法書士・行政書士 桐ヶ谷淳一さんの2023年2月新刊『資格合格 逆算メソッド』
きっと合格!背中を教えてもらえる、オススメポイントを解説します。
なぜ「逆算」なの?
タイトルの「逆算」って、とっても目を惹かれます。
著者は、司法書士試験に6度のチャレンジで合格を得た、本書の言を借りると「長期受験生」
”失敗・苦戦体験”があってこその、これから資格を目指していく人たちへの熱いメッセージ。
それが「逆算メソッド」なのです。
表紙の帯にある”しくじって見つけた難関資格一発合格への最短ルート”というフレーズが、まさに言い得て妙。
「成功法」「一発合格法」などといった指南書も数多あるなか、あえて「失敗」を出発点としていることに、身近感が大きくて心にスーっと入ってきます。
ご自身は最初の司法書士試験こそ長期決戦となったようですが、加えて、行政書士、日商簿記2級…といくつもの国家資格をお持ちで、それを活かしたビジネスでご活躍中です。
「逆算メソッド」 5つのポイント
では、「逆算メソッド」とは具体的にはどんなことなのでしょう?
やはり、本書の言を借りると”決着点から逆算して計画を立てていく”ということ。ポイントとして挙げられているのが以下の5点です。
- ステップアップ勉強法
- 反復勉強法
- 時間管理勉強法
- 健康管理勉強法
- メンタル管理勉強法
さらに、ひとつずつ見ていくこととしましょう。
ステップアップ勉強法
一気呵成に高い目標を得ようとしたところで、無理なこともありがち。
資格って意外と階層化されていたりするから、例えば
ファイナンシャルプランナー3級→2級
TOEIC400点→600点→800点
宅建士→司法書士
…など、一つずつクリアしていくことで積み上げていかれることってある。その点のガイドも詳しくなされていて、なるほどーー!頷くことしきりです。
とはいえ、そのためには一体どれほどの時間が必要なのだろう?「だいたいこれくらいの時間」という点も付記されているのが大いに参考になります。
反復勉強法
勉強って知識を得る(インプット)だけでは身にならないことも多い。インプットしたことを過去問で解いてみたり、自分なりにまとめてみたり(アウトプット)つまりインプット⇆アウトプットの反復が大切で、これを行うことによって、真に自分の記憶媒体に蓄積できるものです。
その割合として適切なのが、インプット3:アウトプット7
そんなにアウトプットが多いの?って感じるかもしれませんが、私自身も経験がありますが、いくら「仕入れ」したところで貯める一方だったら、「試験」という大事な時に発揮できずじまいになりかねません。
時間管理勉強法
資格の難易度が高ければ高いほど、逆に、本試験までの時間軸が緩くなってしまいがちです。
「今回無理だったら、次頑張ればいいや」…そんなのあまりに勿体無い!
短期合格者は本試験前残り何日か頭に入っている
これも、逆算メソッドの一つなのですよね。
加えて、朝活のススメや、勉強場所の選び方、社会人受験生にとてはスキマ時間活用など、様々なエッセンスを教えてもらうこともできます。
健康管理勉強法、メンタル管理勉強法
残りの2つはまとめさせてもらいますが、何しろ人間って。
何かの成果を挙げるためには、その地点で脳が最高に研ぎ澄まされた状態に持っていくことが肝要。そのために最も大切なのが健康管理です。
メンタル管理にしても然りで、特に受験が長期化すればするほど、モチベーションの維持が困難になりがち。
著者オススメの方法が、朝散歩、睡眠、深呼吸。
健康でなければ、いくら勉強を重ねたところで試験当日に実力を発揮できません。ご自身の「しくじり」からそのことを身をもって教えてくれるからこそ、説得感があります。
資格を取ったからそこで終わりではない。その先にどう活かしていくか
これまでお伝えしてきた点に加えて、参考書は1冊に決めて心中!、ノートは要らない、予備校の選び方など…細部に渡ってお役立ちキーワードが満載。
資格って取得したからそこで終わりではないんですよね。
その先にどう活かしていくか?
資格取得のために費やす時間が短ければ短いほど、本来の目的に使える時間がより長くなるから。
著者ご自身の失敗体験から「これから資格を取る人たちには、ぜひ本来の目的に使う時間を有効にしてほしい」という心からのメッセージ。
本書はその粋なのだと、受け止めさせてもらいました。
最後にひとこと
私自身は、資格に類するものはTOEIC(750点)しかありませんが、以前勉強を重ねていた時は、さらに上の点数を目指したい…と志したものの、お恥ずかしながら途中で断念してしまいました。
あの時に本書に出会っていたかった!
資格取得だけでなく、仕事やプライベートや様々な課題に立ち向かう場面でも、大いに参考になること間違いなしです。