不動産。
代々の地主を受け継いでおられる方々は、様々なご苦労がおありなのだと思います。
一方、会社員で「不動産投資」を行っている方々も増えていると聞きます。
土地や建物。その資産を価値に変換してゆくには、ただ”持っている”だけでは難しい昨今。
本書では、不動産コンサルタントの姫野秀喜さん、税理士の乾比呂人さん、それぞれのご専門家であるお二人がタッグを組んで
「不動産」を「負動産」にしないために。
「相続」を「争続」にしないために。
的確なアドバイスをしてくださいます。
あまたの「不動産書」ではなかなか知り得ないメソッドを惜しみなく披露してくださる。
私自身は不動産を所有しているわけではありませんが、定年後の年金収入だけでは生活が立ちゆかなかなくなりつつある今後。
「不動産投資」のことを詳しく知りたいと思い、本書を読ませていただきました。
「旧来地主」から「次世代大家」へ
まず地主さんに向けて、「旧来の地主」さんから「次世代大家」さんへのマインドセットについてを解説くださいます。
地主さんって、受け継がれたことを守ってゆかねばならない義務がある。
でも、あまりそこにとらわれずに、今後に向けてニュートラルに進めてゆくといいですよ。とアドバイスをいただける。
なにより”大家業は経営である”という視点をもつこと。
そのために、不動産コンサルタントや税理士にサポートしてもらうことが最良。
まさに「餅は餅屋」なのですよね。
そのために、どんな専門家が力になってくれるのか?また、どのような相続対策が必要なのか?についても詳しく書かれています。
不動産投資の際に気をつけるべきこと
次に、会社員で不動産投資を行うときに必要なこと。
自分にも、そうした機会が訪れるかもしれない。でも、なんだかよくわからない。
その際の「業者」「金融機関」「税理士」「投資家」それぞれの立場にたって、イラストを用いてポイントを分かり易く示してくれています。
なにしろ、シロウトにはチンプンカンプンな不動産評価額や税金との相関関係。
キャッシュフローのシミュレーション。
目の前の単純計算だけでは図れない、長期的視点に立っての投資が必要なのですよね。
不動産経営を成功に導くために
終2章では、不動産経営を失敗しないためのメソッドや、税務知識。
また、すでに「負動産」となってしまっている場合の対策について。
それぞれの立場においての必要なことを教えてもらえます。
地主さんであっても、
会社員不動産投資家さんであっても。
知っておくべきこと。そして、それはどうして必要なのか。
本書を読めば、クリアにすることができる。
これから定年を迎えて、不動産に助けてもらう状況になるかもしれないから。
熟読しておけば憂いなし。
ぜひ、お手にとってみてください。