コラムニストとして国内有数のオピニオンサイトで活躍されている、著者の尾藤克之さん。
2019年4月新刊の本書は、尾藤さんが会社員や代議士秘書さんとして活動されていたときのご経験をもとに、
「理不尽な世の中でも、仕事人としてどうやって穏やかな毎日を過ごすことができるか?」という点を解説くださっています。
表紙裏に書かれているのが「仕事はそつなく、ほどほどにうまくやろう」
一見「ゆるっ」としたそのメッセージの一方で「仕事において大切なのは他者への思いやり」ということなのだと、受け止めました。
冒頭、いきなり刺さった一言
冒頭、第1章で教えてもらったことがいきなり刺さりました。
それは…
何か問題が発生したとき、たとえ正論では間違っていなくても、相手の立場に配慮した対処法が必要になります。
ー本書より引用
我が職場にも大いにいます、このタイプ。思わずTwitterでつぶやいちゃった!
尾藤克之さんの新刊『波風を立てない仕事のルール』からの気づき
正論を通すことよりも、相手の感情によりそった表現が大切なときがある
正論好きな某同僚氏のことが浮かんできて、思いっきりうなづく。#尾藤克之 #波風を立てない仕事のルール pic.twitter.com/2HGONJ0Lje
— ねーさん@ブロガー (@nesan_blogger) April 23, 2019
自我を通すのではなく、相手を思いやって、ときには流れのままに。
会社仕事というのは、1人で完結できることは少ない。だから大切なのは「ほぼ、これだけ」と言っても過言ではありません。
正論が不要なこともあるのですよね。
結局、人と人との関わりをどう円滑にしてゆくか?ということ
それ以外にも、たとえば下記のようなトピックが展開されています。
- 怒っている相手からは逃げる
- 陰口、悪口は死んでも言わない
- 上司への進言は自尊心をくすぐりながら
- 「苦労アピール」はしない
- ゴマすりのプロになろう
…etc.
これって「なんとなく、処世術?」みたいな印象かもしれないけれど、否、根っこにあるのはどれも「相手をいかにリスペクトするか」ということに尽きる。
かれこれ30数年会社仕事をおこなってきた私。この本に書かれてあることを、実はあまり心がけることができておらず…お恥ずかしい限りですが、
人と人との関わりを円滑にしてゆくことで、仕事もスムーズに流れてゆく。
これだけは、気をつけるようにしています。
相手のソーシャル・スタイルを見極める
とはいえ。人というのは様々な個性や思考をもっているから、それが必ずしも自分のスタンスとマッチしているとは限らない。
そんなときにポイントとなるのが相手の「ソーシャル・スタイル」
第4章では、この点についてガイドしてくれます。
ソーシャル・スタイルは、人間の行動スタイル(社会的態度傾向)を類型化し、自己と他者との違いを認識し理解したうえで、対人関係の向上を図る考え方です。
ー本書より引用
「感情のオープン度」を縦軸に、「思考のオープン度」を横軸に、「表出型」「友好型」「主導型」「分析型」にあてはめて、それにそった対話を進めてゆく。
それもまた、「他者への思いやり」のひとつでもあるんじゃないかなー。
そして、やはり大切なのは「文章術」
終章では、尾藤さんのご専門である「文章術」について、その大切さを教えてもらえます。
- 文章で謝罪するときは説明を充実させる
- メールは漏れなく、手短に
- 文章はさくっと書いて、じっくり読む
…etc.
「相手に、自分の思いや考えを、正確に伝える」
ビジネスにおいてはもちろんのこと、他の、どのシーンであっても。
仕事だけでなく、ブログを書いている自分にとって、この「心」が肝心なのだと、あらためて気づきをもらいました。
今日の一言
世の中って、理不尽なこともある(多い?)けれど。
「波風を立てない」って、つまり「人のことを思いやること」
ガツガツもいいけれど、ゆるっとって実は、それ以上に難しいのだ。
とかくガツガツしてばかりの私(笑)にとって、そんなことを教えてくれた一冊です。