お酒が好きなワタシ。しょっちゅう(と、いうより毎日。笑)いただいては楽しんでいます。
なにが楽しいかといえば…仕事から解放されて好きなことをしながらチビチビ飲みつつ、お料理をつまむという、幸せ。
しかし、健康にも気遣いをせねば。
「100歳以上生きる!!」ために、健康管理は最重要課題のひとつ。
さりとて、好きなことは止めたくない…
そんなワタシの悩み事にうってつけと思われる本を発見。さっそく読んでみました。
お酒好きの著者が、ご自身の不安をもとに専門家へインタビュー
著者は、そのご職業も「酒ジャーナリスト」葉石かおりさん。
自らを「左党」と名乗っていらっしゃる。
江戸時代、大工が左手にノミを持つことから、左手のことを「ノミ手」と言い、これが「飲み手」と同じ発音だったため、酒飲みのことを「左利き」「左党」と呼ぶようになったという。
ー本書より引用
楽しくお酒を飲んでいても、やはり健康のことは気になる。ご自身の不安をもとに、片っ端から専門家にインタビューしてゆく・・という形式がとてもユニークです。
登場される医師は以下のような専門領域をお持ちの方々。(みなさんお酒好きな先生達だそうな)
- 消化器内科
- 内科、神経内科
- 耳鼻咽喉科
- 腫瘍内科
- 精神科
- 泌尿器外科
- 歯科
…etc.
つまり「科学根拠をもとに書かれた、酒飲みのための健康管理ガイド」ともいえる。
さまざまな診療科を網羅している点も納得。
医師以外にも、疫学統計(集団中に頻発する疾病の発生を、生活環境との関係から考察して統計を取る)、薬学、医薬品研究開発などの専門家にも意見聴取されている徹底ぶりは感銘です。
確かに、自分も気になっていること
著者と同様、確かにワタシにとっても気になっていること。
- 肥満(内臓脂肪含む)
- 肝障害
- 生活習慣病発症のリスク
- 心臓疾患、脳疾患発症のリスク
- 癌発症のリスク
そして、意外に気づかないのが、「膵(臓)障害」
年を取るにつれて、酒飲みではなくとも気になるこれらの点が、飲酒によってさらに増大してしまうのではないか?
こうした疑問にも、ひとつひとつ答えてもらえます。
いろいろな角度から解説してもらえる
「お酒とのよりよいお付き合い」のために巷間よく言われる「休肝日」
本書でも、そのポイントが随所に解かれています。
ただし、必ずしもそのインターバルを取ることが必須ではなく、「1週間の総量が適量(1日当たり2合程度)に収まれば良い」という説もある。
そして、適切なおつまみを摂りながらお酒をいただくという点も大切。
一方「コレは危険、NG」という点も書き添えてくれています。例えば
- 寝酒
- 飲酒と同時の服薬
- 冬の飲酒後入浴
「こうでなくてはならない」ということでなく、色々な角度から解説してもらえるのもありがたいです。
「人の世にたのしみ多し然れども」
あとがきで、監修者である肝臓専門医の先生が書かれていることも、とても参考になります。
我々の生活は多くのリスクとともにある。あらゆるリスクを排除して少しでも長生きしたい、という「ゼロリスク主義者」には飲酒は勧められない。
しかし、多くの人は一定のリスクを取りながら、楽しみを見つけて生活している。大切なのは大きすぎるリスクを避けることである。
ー本書「あとがき」より引用
「人のたのしみ多し然れども」このタイトルメッセージが響きました。
今日の一言
とにかく、心がけをもっているのと、そうでないのとは違う。
注意すべきところをふまえて、楽しくお酒を飲めればいいのだ。
そんなふうに捉えてみるのも、本書から得られた点です。
漫画版もあります。