師匠の精神科医・作家、樺沢紫苑先生が敬愛する画家、ピーテル・ブリューゲル。『バベルの塔』に代表される、偉大なオランダの画家です。
そのブリューゲルや、ダリ、ルーベンス等の多くの画家たちに大きな影響を与えたとされながら、現存する作は25点しかなく、多くの謎に包まれているといわれる、ヒエロニムス・ボス。
映画「謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス」は、その謎に迫るべく、ドキュメンタリー形式で進んでゆきます。
樺沢先生に教えていただき、終映間近のロードショーを本日観ることができました。
「悪魔のクリエーター」
プラド美術館が所蔵する三連祭壇画「快楽の園」は彼の最高傑作とうたわれ、天国と地獄が所狭しと描かれたエロチックでグロテスクな奇想天外な作品は世界美術史においても異彩を放っている。本作はプラド美術館全面協力のもと、美術、宗教など各方面の識者が「悪魔のクリエイター」と呼ばれたボスの思考や人物像に迫っていく。
ー「映画.com」より
映画では、「天国と地獄」とも評されるこの大作について、様々な文化人がその思想や情熱についてを語ってゆきます。
不思議な奇妙さ
「快楽の園」。まるでお花畑のようなカラフルな色彩にあふれています。
なんだけど、よく見ると、人のおしりに楽譜が書いてあったり(”禁断の旋律”らしい)、巨大鳥の口から人の足が出ていたり・・様々な動物や裸体の人々がひしめき合う、なんとも賑やかで奇妙な大作です。
とにかく、感じればいい
映画では、芸術家・作家・学者・キュレーター・・といった方々が、「快楽の園」についてのコメントを展開。
印象的だったのは、スペインの画家、ミケル・バルセロの言葉。
「解釈じゃなく、とにかく感じればいい。」
教会にも務めていたというボス。
別の方からは、「宗教に対しては保守的。芸術に対しては革新的。新旧両面を合わせ持つ人物所以の才能でもある」いうお話しもありました。
三連祭壇画といわれ、まるで”三面鏡”のようになっている壮大な本作を、ワタシもいつかプラド美術館に観に行きたいなー。
今日の一言
ヒエロニムス・ボスと、「快楽の園」を知ることで、この1月23日から東京都美術館で展覧される、「ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜」を観にいくのがさらに楽しみになりました。