通勤で30年お世話になっている山手線。好き勝手にそれぞれの駅を漫遊しています。
今回は田端(たばた)駅。
乗り物や交通に関する最新情報をネット配信してくれている「乗り物ニュース」の2019年アンケートで、「山手線」降りたことがない駅の2番目に選ばれています。
山手線を長年利用している私も、ほとんど降り立ったことのない駅。
閑静な住宅地がメインの町並みではありますが、かつて明治の文士芸術家たちが集ったり、映画『天気の子』のロケ地として利用されていたりと、趣のある地。
ご紹介します。
田端駅
所在地:東京都北区東田端一丁目17-1
1896年(明治29年)4月1日:日本鉄道の駅として開業。旅客線ホーム東側には、田端信号場駅の着発線および東北新幹線の高架が見られます。
改札は北口と南口の2か所。
北口は橋上駅舎で、2008年7月30日に地上3階建ての駅ビル「アトレヴィ田端」がオープン。モダンな外観が目を引きます。
ホームから北口に進む通路もエスカレーター併設でスッキリとした雰囲気。
一方、南口は昔ながらの小さな駅舎でひっそりとしています。
ホームからの通路も同様にあまり人影がありません。駅員さんによると「山手線でも一番利用者が少ない改札口です」とのこと。
同じ駅の北口と南口がこれほど対照的なのは珍しいかもしれません。
北口を出てすぐのところにあるのが「田端ふれあい橋」
駅前広場と公園機能を合わせもった、田端のシンボルとなる歩行者専用の橋です。
橋の途中には、鉄道部品のモニュメントが展示されていて楽しい。
東北新幹線の連結器カバー
東北新幹線の車輪
橋を渡ったところの左手には、JR東日本・東京支社のビルがそびえ立っています。
田端駅の町並み
田端文士村記念館
北口を出て左方向に進むと、道路の向かい側に高層のオフィスビル「田端ASUKAタワー」があります。
タワーに隣接している「田端文士村記念館」
明治中期まで田端は閑静な農村でしたが、明治22年、上野に東京美術学校(現:東京藝術大学)が開校されると、美術学校で学び巣立った芸術家:小杉放庵、板谷波山、吉田三郎などが、上野駅からほど近くの田端駅周辺に住むように。
また、大正3年には芥川龍之介や室生犀星などの文豪も移り住んできて、競うように作品を発表。その後、菊池寛、堀辰雄、萩原朔太郎なども次々に居を構えて「文士村」となっていったそうです。
本館はそんな文士芸術家たちの原稿、書簡、初版本、芸術作品などが展示されていて見応えがあります。
館内は撮影禁止ですが、パンフレットの画像を引用させてもらいます。
彼らにゆかりのある地の散策マップもついていて、今回は訪れることができませんでしたが、次回はぜひ散策してみたいです。
所在地 | 東京都北区田端6-1-2(田端ASUKAタワー内) |
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電話番号 | 03-5685-5171 |
開館時間 | 午前10時〜午後5時(入館は4時30分まで) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は開館、代わりに火曜日と水曜日が休館)、祝日の翌日(土日の場合は、翌週火曜日に振替)、12月29日〜1月3日 |
入館料 | 無料 |
ウェブページ | 田端文士村記念館 |
映画『天気の子』のロケ地
2019年に大ヒットした、新海誠監督の映画『天気の子』
主人公の穂高と陽菜が出会ったり、一緒に過ごした場所のモデルとなったのが、田端駅南口出てすぐのフェンス沿い。
坂道を歩いている2人の姿のシーンもよく見かけました。
ロケ地の一つである「不動坂」
この道を歩いていると、映画の世界のなかにいるようにも思えます。
田端は揚げ物の美味しいお店が多い
たまたまテレビ番組で田端駅周辺の特集をやっていて、「田端は揚げ物の美味しいお店が多い」と目にして、実際に訪れてみることにしました。
大粒カキフライ定食が名物というお食事処「三好弥」さん。残念ながら休業日でした。田端駅からは徒歩10分ほどの道路沿いにあります。
その他の「揚げ物グルメ」のお店については、番組のウェブページをご参照ください。
一方、駅前からちょっと中に入ると静かな住宅街。
パンケーキのお洒落なカフェが見つかるのも嬉しいです。
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最後にひとこと
規模が大きくて多数の乗降客さんで賑わっている駅もあれば、静かに佇んでいてその町ならではの特徴を醸し出している駅もある。
なかなか降りる機会がなかった田端駅でしたが今回訪れてみて、あらためて山手線駅の奥深さに気付きました。
山手線一周、どの駅が何区にあるか?については、コチラをどうぞ。