こんにちは。世の中のしくみや決まりについて、まだまだ学び足りない いくみ(@nesan_blogger)です。
法律は大切。法律を守ることが必要だ。
頭では分かっちゃいるけれど、法律を理解するのって、なかなか難しい。
法ってなんだろう?あらためて知りたい。
そんなときに手に取ってみたのが、弁護士・神坪浩喜さんの書【18歳までに知っておきたい法のはなし】です。
タイトルのとおり「18歳になる前の若者に向けて」という趣旨で書かれてあるので、優しく語りかけてくれるような文体で、大人にとっても分かりやすい。
さっそくご紹介します。
この本は何を伝えようとしているのか?
まず、この本は何を伝えようとしているのか?について、本書の「はじめに」から引用します。
法といっても難しく考える必要はない。法は専門家だけのものでもない。
法のちょっとした知識や考え方を知っておくだけで、多面的に物事を見ることができるようになり、トラブルを防止し、解決ができ、幸せに生きやすくなるはずだ。
法の解説書ではなく、法とは「一人ひとりが幸せに生きやすくなるためのもの」と教えてくれる言うならば、応援書。
そうか。法律とは、私たちの幸せな生活を応援してくれるものでもあるのね。
冒頭からそんな気づきをもらいながら、さらに以下のようなポイントにそって詳しく教えてくれます。
- そもそも、法って何?
- 民主主義、立憲主義
- 裁判員になったら・契約や損害賠償のこと・交渉のコツ・弁護士への相談の仕方・裁判の役割
- 法的なものの見方・考え方を身につけよう
さらにご紹介します。
そもそも、法って何?
「法律」と聞くと、どうしても難しいもの…というイメージが先行してしまいます。
法って、なそもそもなんだろう?
この漠然とした問いに、まずは本書の第1章が答えてくれます。
私たちは、法が張り巡らされた社会の中で生きている。日々の暮らしの中で、あまり意識することはないけれど、法に基づいて暮らしている。
たとえば、
物を買ったらお金を払わなくてはならない。自転車に乗っているのならば、二人乗りをしてはいけない。
など。
法というものは、人と人とのつながりを決めている。売る人、買う人というような一対一の関係だけではなく、複数の人や集団についての決まり、会社や国家の決まり…すべては人と人とのつながりに行きつく。
いろいろな人たちがいる社会の中で、
トラブルを予防したり、物事の手順や、決まりを守らない人にはどのような処分を行えばよいのかを定めたり。
法は「みんなが幸せに生きていくためにはどうすればいいのか?」を指南してくれるものなんですね。
ふむふむ。なんとなく理解できてきたわ
また、よい法というのは
【1】目的が正しいこと
【2】手段が相当であること
【3】内容が明確であること
【4】公平であること
が必要。そしてその目的は「正義」である。
こうして具体的な一つ一つの法律が決められてきたんだな。あらためて理解を深めることができます。
民主主義・立憲主義
続いて第2章では、「民主主義・立憲主義」について解説されています。
法とこれらの主義とは、どう関連性があるのだろう?
民主主義とは、法やルールの決め方の一つで、みんなで話し合って決めるということ
確かに、物事ってトップダウンで誰か1人から決められるより、自分たちが、みんなでアイディアを出し合って協議した方がよいものができるだろうし、自分たちで決めたからこそ、しっかり守ろうと思えるものです。
次に「立憲主義」について。
民主主義で物事を決めるとはいえ、さらに権力をもっているのが「国家」
あまりに大きな力ゆえ、暴走したりよからぬ方向に人々を導いてしまう可能性がある。
そんなことにならないように、国民が憲法を定め国家権力に縛りをかけている(中略)
この、憲法で国家権力を縛るという考え方を「立憲主義」という
例えば、日本国憲法に定められている「表現の自由」
これも、権力を縛るための一つです。
みんなが言いたいことを言える。話し合って意見を出し合う。民主主義はこの自由があってこそ実現できるもの。
民主主義は立憲主義と相携えながら、個人の尊重確保を支えている。そしてみんなで決めたルールを守っていく。
そんなしくみに支えられているのだと、あらためて納得です。
ちょっと難しいけれど、よく分かっていなかったので大分整理ができてきた
幸せに生きやすくなるために、法はどんなふうに味方になってくれるのか
第3章以降では、「幸せに生きやすくなるために、法はどんなふうに味方になってくれるのか」
具体的な項目にそってガイドしてくれます。
裁判員になったら。契約や損害賠償のこと。交渉のコツ。トラブルに巻き込まれたら弁護士へどう相談すればよいか。裁判の役割とは。
実際には、あまり遭遇することのない事象もあるかもしれませんが、生活をしていく上で後々に役に立つこともあるかもしれないので、知っておいて損はなさそうです。
法的なものの見方・考え方
終章では、「法的なものの見方・考え方」について結ばれています。
その要素としては論理的に物事を考えるということ。
【1】主張(意見)には理由をつける
【2】理由には事実を使う
【3】事実の中でどれが重要であるかを見極める
【4】事実を裏付ける証拠(根拠)がないか確認する
論理的であるとは、物事の関係がしっかりしていること(中略)「主張は何だろう」「その根拠は何だろう」「主張と根拠はちゃんとつながっているのかな」をおさえるのだ
本書の主題になっている「知っておきたい法のはなし」以外でも、日々、何かを表現するとき、相手に何かを伝えて納得を得てもらいたいとき…こうした考え方がとても参考になります。
ブログを書くときにも、ためになるわー
最後にひとこと
令和4年4月1日から民法が改正され、成人の定義が、現在の20歳から18歳へと繰り下げられるそうです。
法とは、人と人のつながりを決めている。法に根付いているからこそ、一人ひとりをかけがえのない存在として大切にする社会。
18歳イコール成人になる前に知っておいて欲しいという願いが、本書のタイトルにも込められています。
その年代だけでなく、私のように長年生きてはいるものの法についてよく分かっていなかったという世代の方々にも、ぜひ手にとっていただきたい一冊です。