建設会社総務経理担当部長/大学講師/時間管理コンサルタント/セミナー講師/税理士/ビジネス書作家、6つの肩書きをもつ、"スーパースラッシャー"石川和男さん。
2019年3月新刊の『残業ゼロのノート術』は、そんな石川さんが自ら実践してこられた「時間の有効活用法」について「ノート術」という切り口から語ってくださっています。
単に「残業をやめよう」というのではなく、
"人生とは、時間。気づかぬうちにドンドン過ぎてゆく。だったら、自分のために、オフの時間も充実して過ごそう"そんなメッセージが込められているのです。
まずは「残業のメカニズム」について
第1章では、残業はなぜ起こるのか?その「メカニズム」について。
そして、どのような弊害があって、防止するための良い方法とは?…身近なエピソードを交えて解説してくれます。
例えば、
- 残業は人間関係を狭めてしまう
- 21時以降は酔っ払っていながら仕事をしているのと同じ?
- 「すぐやる」が仕事を遅くしている!
…などといった点。
確かに「残業をするための毎日」みたいに陥ってしまいがちです。
それを防止するためには、
- 何事にも「〆切をつくる」というのが有効
大きなタスクでも「〆切」を細切れに設定することで、ひとつずつクリアにできるのですよね。「〆切」を設定しないから。結局ダラダラ残業エブリデイになっちゃうのだ。
ノート術
第2章では、これらのメカニズムを踏まえて。
石川さんが実際に活用していらっしゃる「ノート術」について、具体的なその方法を教えてくれます。
タスク管理をおこなうのに、メモに書き出す、付箋紙に書いて貼り出す・・などの方法がありますが、
ワタシはもっぱら「付箋派」でした。
しかし、付箋は終わったら剥がして捨ててしまうから、後で振り返れないし、しょっちゅう眼につくから、かえってそのことにとらわれてしまいがち。だからこそ「ノート一冊」を使うのがよし。
確かにおっしゃるとおりだわ。
石川さんは、ふつうの「B5版キャンパスノート/横罫線35行」を愛用されているそうです。
そして毎日、仕事のコアな点だけでなく、雑用も含めて行ごとにタスクを書き出してゆく。1コのタスクを処理する所要時間の目安は15分。
そんなふうに書き出して、時間を区切って、できたできないのチェックをして。とてもシンプルです。
ワタシも、脱付箋→ノート一冊に、切り替えてみよう。
時間を有効に使うためには?
その後第3、4章では、この「ノート術」を活用して、自分だけでなく、職場のチーム全体としても、どのように時間を有効に使っていくか。ユニークなフレーズを交えて教えてくれます。
- アイスピック仕事術
- ホラー映画仕事術
- ルパン三世仕事術
- 銀座のクラブ仕事術
…etc.
オモシロイなーー。めっちゃ引き込まれます。
単に「コレをああヤりなさい」と紋切り調で押し付けられるより、こんな表現だったら、ぜひやってみたいと思うものです。
いちばん大切なこと。それは、創成された時間を何に使うか?
残業をせずに、オフの時間が創成できた。いちばん大切なことは、それを何に使うか?
終章では、せっかく作り上げた"時間という資源"を、ぜひ「自分の学びや夢の実現に使おう」と説いてくれます。
人生とは、時間。
ビジョンや夢にも、細分化して〆切を設けて。仕事と同じようにノート術を活用してゆくときっと叶う。
石川さんはそうして、ご自身のビジョンや夢を、多くの書籍を世に出してくださいつつ、実現してこられた方なのです。
出版記念セミナー
読書に加えて、2019年3月20日に出版記念セミナーが開催され、石川さんのお話を直にお聴きすることができました。
セミナーでは「とくにお伝えしたい3つのポイント」として、以下を挙げてくれます。
- 細分化(アイスピック仕事術)→溶けた氷は、カタマリに比べて対処がし易い
- 5秒の法則(ホラー映画仕事術)→言い訳を考える余地なく、5秒以内に取り組んでしまう
- ピンチをチャンスに変える(ルパン三世仕事術)→ピンチこそチャンスだ。ルパン三世はそうしていつもチャレンジしている
時間は有限だから。とにかく行動あるのみ!
最後に、「今後の展望」について参加者から質問を受けた石川さん。「世の中に役立つ発信を続けてゆきたい」と熱く語られていたご様子が、とても心に響きました。
今日の一言
以前の私は、残業三昧。自宅に帰ったら、必要最低限の家事をして、寝るだけ。そんな毎日でした。
しかし、石川さんをはじめ、さまざまな方々から学びを得るうちに、仕事はなるべく定時キッカリに仕上げ、オフの時間は情報発信(ブログ書きやSNSでの友人との交流)を楽しむことにしました。
すると。
もう定年も間近だというのに、人生が楽しくてしょうがない。
ブログを基盤として、定年後にアレもしたい、コレもしたい・・と考えるだけでワクワクしてきます。
残業三昧だったら、こんな毎日を思いつくことすらなかった。
だから、「残業をしないこと」はとても大切なのだと、あらためて本書を読み実感しています。