作家/精神科医 樺沢紫苑先生の2018年12月新刊である本書。
2011年に出版された『「苦しい」が「楽しい」に変わる本』が最新情報も含めてリライトされた、樺沢先生初の文庫本です。
前作には、私がまさに「苦しい」ときに助けてもらいました。
でも、タイトルのインパクトがちょっと重たいかもしれない。
本当に苦しいときって、もしかしたら「本」を手に取る気力も持てないかもしれない。
本書は、文庫本という手軽さと、図やイラストがふんだんに使われていて、とても読みやすい。
タイトルの「感情リセット」というニュートラルなフレーズも親しみやすい。
だから。
とっても苦しい‥という方にそっと寄り添ってくれるかもしれない。ならば、ぜひ届いて欲しいな。と思い、ご紹介をさせていただきます。
脳科学が助けてくれる
「苦しい」と「楽しい」、正反対の二つの感情。
実際には脳内物質・ホルモンの変化に拠る現象でもある。
樺沢先生は、その脳科学根拠についてを、まず客観的に教えてくれます。
「苦しい」ときは、ノルアドレナリン・アドレナリン・コーチゾールといったホルモンが優位になっている。
「楽しい」ときは、ドーパミン・エンドルフィン・セロトニンといったホルモンが優位になっている。
辛い。堪え難い。
苦しいときは、そんな思いで心がいっぱいになります。
でも。
「苦しい」のホルモンを抑えて「楽しい」のホルモンを活性化することで、何かの突破口になるのだと捉えれば‥心の切り替え、つまりリセットができるようになれそうです。
きっと、脳科学が助けてくれる。
では、具体的にどうすればいいの?
理屈ではわかったとしても。
実際に苦しい渦中にいるときって、なかなか行動ができないものです。
そのための具体的な方法について。
図やイラストとともに分かりやすく解説してくれます。
- 楽しい・幸せを「イメージする」
- ポジティブに「言い換える」
- 感情を「数値化する」
- 過去・他人‥「変えられないこと」で悩まない
- 「今ここ」に集中する
- 適度な運動や十分な睡眠
- ときには「逃げる」
‥etc.
苦しいから、これ以上苦しくなったって、仕方ないから。
だったら、もう、ヤケクソだ(笑)なんでもやってみよう。
実際に、自分がそういう状況だったときに、教えてもらったことを少しずつ迎え入れる(すぐに「やれる」にはならなくても、とにかく「迎える」)ようにしてみました。
そして感謝して、アウトプットする
そうして過ごしてゆくうちに、心のバッファができてきたら。
人に相談したり、そもそも周りの全てが自分を支えてくれていることに感謝して、そのことを書いてみる(アウトプット)
書くといっても、大げさなことじゃなくても「今日あった3つの良いこと」をTwitterなどを利用してつぶやいてみよう。と樺沢先生は勧めてくれます。
私は、前書で教えていただいたことを元に、こうしてブログを書くようになりました。
そのおかげで、1年近くはかかりましたが「苦しい」毎日から「楽しい」毎日を過ごせるようになったのです。
感情は、リセットできる
苦しいから辛いから。それはそれでよいのです。
でも、楽しくなれたら、もっとよい。
感情って、リセットできるんだよね。
それを知れるだけでも心がふわっと軽くなれる。
この本に書いてあることをやってみたら。きっとそんなふうに思えるかもしれません。
小さな文庫本がもしかしたら、そっと支えてくれるかもしれません。
前作の感想文を書いたときに、今作を読んだらまた、当時のことがフラッシュバックしそうで、ちょっと怖い‥とよぎりましたが、
むしろ、あれからまさに"感情リセット"ができたことを、とても嬉しいと思えました。
よろしければぜひ、手にとってみてください。