仕事をしていると、いろんなことに感情が揺らぎがちなものです。
正しいと思ってもそれを邪魔するものがあったり、なにかに屈してしまいそうになったり、困難に面してあきらめそうになったり…etc.
でも、ブレないで信念を貫くこと。そんなリーダーでありたい。
本作を観て、あらためて思いました。
メインキャストはメリル・ストリープとトム・ハンクス。しかも監督はスティーブン・スピルバーグ。なんとゴージャスなことでしょう。
詳しくはネタバレになっちゃうので控えますが、
亡夫の後を継いで新聞社の社主としてワシントン・ポスト紙を統率するキャサリン(メリル・ストリープ)。
ベトナム戦争時、政府の「不都合な策略」機密文書を入手し、スクープを打ち出そうと奔走する編集主幹のベン(トム・ハンクス)。
他紙の動向や政府からの圧力…etc.といったさまざまなノイズと戦いながらも、最終的に記事を世の中に出す決断となった。
1971年に起こった実話をもとにした物語を、メリル・ストリープはときには弱さを見せつつも、潔く爽やかに。そのリーダー像を演じきってくださる。
そして鉄壁の支え人として頼もしい風格をトム・ハンクスが十二分に醸し出してくれる。
ともすると孤独になりがちなのがリーダー。こんな参謀さんが居てくれたら本当にありがたい。
正義を貫こうとしても、会社の存続にもかかわるかもしれない。苦渋の決断。
印象的なのが、キャサリンが悩みの末に旧知の友であり元国防長官のマクナマラ(ブルース・グリーンウッド)に相談をしにいくシーン。
当時のニクソン大統領陣営の脅威を知る彼は、手を引くことを進める。
でも、それによってかえってキャサリンの覚悟は決まったように。
そして、記事はとうとう世の中に発せられた。
ブレないで貫く。
現実社会ではなかなかうまくいかないかもしれないけど、ちょっとカッコつけかもしれないけど、心はそうありたい。
雑誌に載っていたメリル・ストリープのインタビュー記事が刺さりました。
これは一般の人々がいかに変化をもたらし、歴史を変えたかについての物語だと思うわ。大きな変化は一人の人間の変化から始まるのよ。
当時の女性リーダーは現代に比しても、さらに多くの障壁や苦労があったかと思います。あらためて、実在のワシントン・ポスト紙社主、キャサリン・グラハム氏に敬服。
メリル・ストリープの演技は、キャサリン・グラハムの面影そのもの。ほんとうに偉大な女優さんです。
↓キャサリン・グラハム氏。Wikipediaより
経営者にはほど遠いですが、ワタシも管理職のハシクレとして勇気をいただけた、心に深く残る作品でした。
終映間近ではありますが、5月3~4日くらいまでは上映中です。
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