”ビジネス数学”のご専門家、深沢真太郎さん。
「数字」のもつ本来の力、価値。そこから導かれる「論理」を知り、より活き活きとしたビジネスライフを歩んでいこう!と世の中に広めてくださっています。
2018年3月新刊の深沢さんのご著書。
「入社1年目の方へ」というタイトルとはなっていますが、
どんな職業や立場であっても。仕事をするうえで「数字」というのはありがたい盟友なのだと気付かせていただける素敵な本です。
数字を言葉として使う
めっちゃ”ド文系”のワタシ(笑)数字って苦手意識がありました。
とはいえ。
仕事で”費用対効果”とか”生産性”とかとお友達にならざるを得ず(笑)それなりにお付き合いはしてきた次第。
でも、苦手意識は拭えず。
本書を読んでもっとも刺さったこと。
数字は「表現のツール」。仕事をするときは数字を言葉として使う、という発想。
わわーーーっ!「言葉」ならとっても大好き。
「言葉である数字」が愛おしくなってきましたw
"もやっと"ではなく"きりっと"した表現
言語表現はもやっとしたものもありがち。一方、数字表現はきりっとしたものであれるのですよね。
たとえば、
「今期業績は前期業績にくらべて、かなりストレッチできそうです。」
こんな、”もやっと“もワタシ的には好きなんだけど、
「今期業績は前期業績に比べて◯△パーセントの伸びが期待できます。なぜならば、プロジェクトのKPIが☆□ポイントの上昇を示しているからです。」
・・・っていうの、リアリティが増すよねー。
数字苦手っとか言ってる場合じゃなくって、相手に”きりっと”伝わること。
これがビジネスコミュニケーション、数字言葉なのだと、深沢さんは教えてくださいます。
数字って論理を示してくれるもの。しかも、万国共通。
だからこそ、言葉として普遍的なのですよね。
情報→数字→情報
さて。”数字言葉”を習得するはいいけど、仕事に「報・連・相」はつきもの。
そんなときに心強いのが「数字をサンドウイッチにして情報で囲む」
本書では以下のような例示をしてくださっています。
申し訳ありません。今週いっぱいお時間をいただけないでしょうか。いまのところ50%程度の進捗です。最優先で進めます。
こんな報告をもらえれば、「ハイ分かりました」って言っちゃうよねw
データを読み解く
数字の集合体がツマリは「データ」。
私たちは常にデータに囲まれて仕事をしています。数字を読むとは、シンプルに定義すれば「この数字から考えられることは…」という情報をつくる行為のことです。readではなく、think。
数字って読むのではなく、考えて情報を作るためのもの。
深い!
あらためて「数字」に敬服。
データを読み解くことによって「傾向」と「異物」を見出すことができる。そのための具体的な手順も教えてくださいます。
また、「平均値」「中央値」「最頻値」などを見出すことによって、「データの個性を明らかにし次の策を講じることができる」。
「個性さん、ようこそ」って見るようにしたら、数字もデータも、なおさら愛おしく思えてきちゃうw
グラフは数字をビジュアル化する最強の友
数字のカタマリや傾向を視覚的にさらに明らかにするために、グラフは最強の友。ぜひ活用しましょうとのアドバイスもくださっています。
巻末にはExcelを用いた各種グラフの作成方法が図解で示されていてありがたい。これまでグラフって行き当たりばったり的にしか使ってきませんでした。職場のデスクに本書を常備し、より魅力的なグラフを作れるようになりたいな。
プレゼン資料は相手の「モノサシ重視」で
終章では数字を効果的に使ってのプレゼン資料の技術を伝授くださいます。
昨今、仕事だけでなくあらゆる社会活動に必須なプレゼン。
プレゼンにおいても数字言葉が活躍してくれるのですが、その使い方について、以下の二点がとくに響きました。
- 自分が伝えたい数字ではなく、相手が知りたい数字、つまり相手のモノサシを重視する。
- 「3-1-3」で組み立てる。
→3分間で終わる・伝えたい主張は1つに絞る・そのための根拠は3つまで。
確かに自分で勝手に「この数字めっちゃインパクトある!」みたいに悦に入って主張しちゃったり、ポイントが右往左往したり。長年社会人をやっていますが、お恥ずかしいことに「で、なに?」なプレゼンになっちゃうこともしばしば。
このポイントをふまえて資料を作って、しっかり心に刻んで発表する。
明日からでも取り組める、一生モノのメソッドです。
まとめ
数字は言葉。
数字はありがたい友。
本書を読んで、数字って好きかも♡数字が愛おしく思えてきました。
せっかくの「数字の魅力」を教えていただいたのだから、ぜひこれからも親友でいてもらおう。
入社一年目の方。研修ではなかなか教えてもらうことのできない、数字の真髄。ぜひ本書でお確かめを。
入社ウン十年目の方でも、役立つこと満載。ぜひ本書のご一読をおススメします。
深沢さんにサインをしていただきました。数字に万歳。