「文章を書く」ということは、誰しも日常でいつも対峙する動作ですよね。その頻度は人それぞれなのだと思いますが、読んでくださる方々に、より、伝わる文章を書きたい。でも、自分ひとりではどう工夫してよいかがわからない。
そんなとき、文章術の専門家・山口拓朗さんの著書は強い味方になってくれます。
その13冊目となる本書。主人公の「モモ」と、作文のエッセンスを伝授してくれる「モジャ先輩」の二人の会話を中心に、漫画も取り入れたストーリー仕立てになっていて、読んでいくうちにどんどんワクワクしてきます。
登場人物は、モモとモジャ先輩
主人公のモモは"作文大嫌い"なのに、仕事でいつも文章を書かねばならず四苦八苦している。
一方、モモの相談役であるモジャ先輩は「文章を書くために大切なこと」の引き出しをたくさん持っていて、そこが本書のポイントになっています。
この形式はとても新鮮で、心にすーっと入ってきてありがたい。
何より、モモもモジャ先輩も愛すべきキャラ。文章術を通してお互いの関係性も深まってゆく。まるでドラマに夢中になっているときのように、要点が吸収できるのです。
文章にもいろいろある
- 文章を読む人に「してもらいたい行動」を具体的に書く。
- 情熱で書いて冷静で直す。
- 事実と意見を明確に分ける。
- 出だしの「発端」と最後の「未来」に落差があればあるほど、伝えたいメッセージが光る。
…etc.
モモとモジャ先輩の会話には次から次へと金言の数々が散りばめられています。
ストーリーも、ビジネスメールや提案書・報告書、就活のエントリーシート…といった、会社仕事における文章術の事例から始まり、 「あるある!」と読み進めてゆくと、最後の終二章はもっとも知りたかったブログのコツ。
”会社員ブロガー”である私にとって、この流れがありがたく、真に刺さりました。
文章を書く楽しさって恋みたいなもの?
最後は、モモとモジャ先輩の”恋”に発展しそうな余韻を残して本書は終わります。
このエンディングを通じて、ハタと気づきました。
文章って、読んでくださる方々に役に立ててもらうためのコミュニケーションのひとつ。 上手下手ではなく、真摯に自分のキモチや相手への貢献を伝えることが大切。
それって、恋みたいなものじゃないかしらん?
好きになった相手の役に立ちたい。そんなキモチを伝えたい。
・・・そんなふうに捉えると、文章を書くことがさらに楽しくなってきます。
文章を書くとは人間だけに与えられた知的財産
ブログを書いていると大分慣れも生じてきて、ともすると大切な点を蔑ろにしてしまいがちです。
そんなときに、本書を繰り返し読んで、気付きを忘れないようにしたい。
文章を書くとは、人間にだけ与えられた知的財産。
だからこそ書き続けたい。そのために、本書は私にとって大切な指南書となってくれます。
「文章術の達人」山口拓朗さんの著書。続けて読むとさらに深めることができる。とくに私はこの三冊を常に手元に置かせてもらっています。