会話とは、毎日の仕事や暮らしの中で必要不可欠なもの。
私自身はもの凄く苦手意識はありませんが、会話が上手くできずに落ち込んだり不安になったりすること、しょっちゅうあります。
すると、つい、自分を責めてしまいがち。
文章術のご専門家・山口 拓朗さんが「会話術」について語ってくれる。「苦手なまま」というタイトルを見て、そんな思いを救ってもらえそうで、夢中で読み進めました。
不完全な状態で完全だ
まず、最も刺さったフレーズからご紹介します。
自分という存在は<不完全な状態で完全だ>という言葉をお守りにしましょう
上手にやらなければ、完璧にやらなければ、ついそんな思いに囚われてしまっていた自分。
そもそも、不完全で良い(と、いうより不完全なことが正解)のですよね。
会話って本来人と交流して楽しむためのもの。
上手く出来ないことがあったとしても、ここを忘れないようにしたい。
あらためて気付かせてもらいました。
90の小さなコツ
次に、本書の最大の特徴について。
苦手だって、がんばらなくたって、「ラク」になる。
そのための様々なエッセンスが”90の小さなコツ”として散りばめられていて、しかも一つずつのコツが見開き2ページで(右側が「具体的な悩み」左側が「向き合い方」)完結。
とても見やすいのです。
例えば
- 相手にどう思われているか不安→「自分らしさ」だけを意識する
- 人前で堂々とすることができない→よく見せようとせず「ありのまま」
- 相手の雰囲気に引きずられてしまう→人の感情にコントロールされない
…etc.
加えて
- 会話が苦手な人は、SNSが「自分らしさ」発信の絶好の練習場
- オンラインコミュニティに参加することで、リアルの場より落ち着いて自分の考えを表現できる
等、会話にこなれていくための具体的な方法についても解説してくれている点。
自己理解を深めて会話中の話題提供や言葉が出てきやすくなるための「言語化ネタ」が一覧になっている点。
こうした幅広いアドバイスをもらえるのもありがたいです。
会話なんて苦手なままでいい
最後に、本書を読むための最もポイントとなること。
それは、「はじめに」に書かれてあったフレーズ
会話なんて苦手なままでいいじゃないか。本書に貫かれているメッセージはたったこれだけです。
会話に悩んだ時には、本書がそっと寄り添ってくれる。ぜひオススメの1冊です。
苦手なまま会話術 がんばらなくても伝わる、ラクになる/大和書房/山口拓朗