ジョニー・デップ主演の『チャーリーとチョコレート工場』DVDを視聴しました。
2005年の作品なのでかなり以前ではありますが、樺沢紫苑先生の名著、『父親はどこへ消えたか(映画で語る現代心理分析』で紹介されていて観たいと思ったからです。
ご紹介します。
父性は永遠のテーマ
人が大人になってゆく過程で、父性はとても重要。
本書は映画で描かれている様々な父性について、精神科医の樺沢先生ならではの奥深い分析を解説くださっています。映画でこれほど取り上げられることの多いテーマは他にない、といっても過言ではありません。
家族のありかたとは、本当に大切なのですよね。でも、なかなかうまくいかないのも、現実の親子関係です。
チャーリーとチョコレート工場と父性
この「父性」のことを心に止めながら映画を観ていきます。
オープニングからしばらくは、チャーリー少年とその家族(かなり貧困そうだが、三世代大家族で楽しそうに暮らしている)のホンワカしたストーリーが進んでいきますが、チョコレート工場のオーナー、ウィリー・ウォンカが登場したあたりから、少々キテレツな?展開となっていきます。
まあ、それはご愛嬌として。
世界中で大人気のウィリー・ウォンカ製のお菓子。しかし、その工場の中は完全非公開であった。
ある日、ウォンカは「生産するチョコレートの中に5枚だけ金色のチケットを同封し、それを引き当てた子供は家族を一人同伴で工場を見学する権利が与えられ、さらにそのうちの一人には想像を絶する素晴らしい副賞がつく」という告知を出した。世界中がチケット争奪で大騒ぎとなる中、運良く引き当てたのは、食いしん坊の肥満少年オーガスタス、お金持ちでわがままな少女ベルーカ、いつもガムを噛み勝利にこだわる少女バイオレット、テレビ好きで反抗的な少年マイク、そして家は貧しいが家族思いの心優しい少年チャーリーだった。
彼らはウォンカの招待のもと、工場の中で夢のように不思議な光景を体験していく。ところがその途中でさまざまなハプニングが起こり、子供たちは一人ずつ脱落していく。ウォンカは、最後に残ったチャーリーに「副賞」を与えようとするが、チャーリーに提示された交換条件は「家族を捨てること」という家族思いの彼にとって受け入れがたいものだったため、チャーリーはこれを辞退する。
予想外の展開にすっかり意気消沈したウォンカだったが、チャーリーの後押しによって彼自身のトラウマを解決できたことで、改めてチャーリーに「副賞」を受け取るように打診する。ウォンカは、これを受け入れたバケット一家と「とびきり甘い」人生を送ることとなった。(Wikipediaより)
人を食ったようなキャラ・風貌のウォンカですが、かつて、厳格な歯科医の父に、大好きなお菓子(特にチョコレート)を完全否定され、その反動からチョコレート工場を経営するに至る。チョコレートは飛ぶように売れ、ビジネスとしては成功者になります。でもそれに相反して、絶縁してしまった父、家族に対しての思いには忸怩たるものが。
そのジレンマをチャーリー少年が温かく解きほぐしてくれるのです。この映画で私がもっとも響いたシーン。
そして、チャーリーに連れられて、ウォンカは何十年ぶりかに父親に会いにいきます。父は父で思いがあった。でも、お互いに歩み寄れなかった…。
現実にもきっと、そういうことってあるんだろうな。
いつかはきっと、分かり合える
映画では、父子が絆をとり戻し、チャーリーはそのお礼にウォンカから工場をプレゼントされ貧乏暮らしに終止符を打てることに…っとハッピーエンドではあります。
一方、現実にはそうはうまくいかないこともありそう。
とはいえ、親も子も色々反発しあったり押し付けあったりあるのだけど、いつかはきっとお互いを思いやれる関係になれるんだと信じています。
チャーリーのように、少年の頃から家族思いな人もいれば、ウォンカのように、何十年かかっちゃう人もいる。でも、今を一生懸命にやろう。
そんなことを教えてもらった映画です。